しろくまステーション
□Mistake!
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「やましたぁいこぉ」
「や、山下?笑」
「いいから早くいくよ笑」
昼前でお腹が空き始めてるのか、
よくわからないヤンキーのように絡んでくるヨーダをグニグニと潰しながら梅がやってくる。
この2人にゆっくり待ってくれる落ち着きはない。
気がついたら忘れてもうふらっと移動していることもある。
今だってそうこうしてるうちに、2人は教室の外だ。
慌てて私は準備すると後を追いかけた。
「めっちゃ曇ってるよね」
「雨降りそうだなぁ…」
「いやぁだぁぁぁ…」
「静まれっ…与田」
「うちなん!?」
今日の体育は確か持久走とかだったはず。
1500m走好きな人なんかクラスに大体3人くらいしかいないだろうに、先生もきっと大変だろうなぁとか思う。
…他の先生だったらね。
図書館の前あたりを通過する時、
梅が渋い顔してこっちに話しかけてきた。
「美月さ」
「なに?」
「その体育館向かうほど顔怖くなるのやめれないの?」
「…」
「与田のスキップしてるノーテンキさを見習って欲しいんだけど笑」
「?」
「…梅が気にしなくなってくれてもいいんだけどなぁ笑」
「いやいや…気にしないの与田くらいにしかできないって…」
「…なんかすごい馬鹿にされてる気がする!!」
「いや助かってるよヨーダ…」
「まぁ気にしても仕方ないし!」
「意外と強いなぁ…」
「てかでもなんでそんななんよ?」
「うんそれね、普通にいい先生だと思うけど」
「…私にもわかんないんだよね…
なんかだめ」
「それどうしようもないやつじゃん笑
名無し先生聞いたら辛すぎるわ笑笑」
「なんで笑っとーよ!?」
右を見上げれば、困ってるように見せて実は面白がってそうなのっぽ。
左を見下ろせば、ほわほわしてるちび。
この2人は私の事情を知ってるからこそ、
一緒に体育に行ける。
この2人が知っている私の事情。
着替えるために体育館に向かうだけで顔が強張る理由。
それは、体育教師名無しごんが
嫌いだということ。