しろくまステーション
□自分じゃない感じ
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「ねぇねぇごんさん〜」
「なにー?」
「ふふ…笑」
「なんだよー」
「ごんさんごんさんー、」
「…1個しか変わらないのにいつまで敬語なのさー」
乃木坂46はメンバーが多いから、
この先輩に憧れたとか、
それぞれいろんな理由があると思う。
けど私はちょっと違ったきっかけがあったりする。
私が乃木坂に入りたいと思った、
本当のきっかけのきっかけ。
その人がいままさに私の目の前で、
画面越しに見ていた、見る人に安らぎを与える…
…いや与えすぎるくらいののんびり具合を見せている。
「もう!ずっと言ってるじゃないですか!
私はごんさんに憧れて見るようになって…
それから乃木坂にも惹かれるようになったんです!
…だから…尊敬してて…?」
「…尊敬されてるような距離感には感じないけどな…」
「…え?何か言いました?」
「…いや…なんも…笑」
私がグッと距離を詰めれば苦笑するだけで受け入れてくれるこの人。
このほんのりぐらついているようで、するりとかわすわけでもなく、
ぶつかればそれ相応の反応を見せてくれる感じ。
時折…意識してかしてなくてかはわからないけど、
とんでもないカウンターをしてくる感じ。
手が届きそうで届かないってわけでもなく、
もう気がつけば相手の懐にするすると入り込んできてて不思議な感じ。
誰かに追いかけられるとか、誰かを追いかけるとか、そんなことにはなれなくて、
今までに自分にはなかったような感じを引き出してくるこの人に、私は完全に心を奪われている。