graffiti
□Love loser
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井「カメラここならバレないかな?笑」
万「あーいいねいいね笑」
井上と万理華は船の形をした露天風呂横の茂みにカメラを忍ばせる。
露天風呂エリアでわずかに高くなっているそこからならば、そのエリア全体は映せるだろうという狙いだった。
ひ「中はどうする?」
万「うーん…でも隠せるとこないからこっちにかけるしかないかな」
井「絶対ごんべいさん気づくもん笑」
ひ「だよね笑」
万「…にしても…いい温泉…」
ひ「ほんとに…」
井「…それは間違いない」
先ほどまで曇っていた空もわずかに柔らかな日差しが差し込み始め、微かに見える地平線の先にはそれほど高くない山々が頭を覗かせる。
万理華はその真ん中でぐっと身体を伸ばす。
3人がまず入った檜のしっかりとした香り漂う乳白色の湯は、光に照らされて、
3人の美しい肌により一層の輝きを与えていた。
井「どうかな?一番乗りかな?笑」
万「なにが?笑」
井「一緒に風呂笑」
ひ「お互い裸はないんじゃないの笑」
万「あの狼狽っぷりはないでしょ?笑」
井「でもあれすらも演技の可能性あるから怖いよねごんべいさん笑」
ひ「それはさすがに笑」
なんであろうとそれでも3人は本気だった。