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□Live While We're Young7
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入院前の残り少ない日々の中で、飛鳥、麻衣の2人と過ごし、
気がつけばもう入院の前日となっていた。

この日は予定を入れず、家で荷造りをしていると、玄関のチャイムが鳴る。







(ピンポーン)





「ん?明日入院やのに…だれやろ?」



誰かの来訪など聞いていなかったため、心当たりはなく、居留守を使おうかとも思ったが、



(ピーンポーン)




「…」



(ピンポンピンポーン)



「………」




(ピロン)



「誰だ…怖い…ん?LINE」




思っているより諦めない相手にビビっていると、スマホが誰かからの連絡を告げる。




【いるのはわかってる
  大人しく出てきなさい】



「えっ!は!?け?えおうぇぅぇぁ!?」




立てこもりの説得かのような内容もさることながら、
連絡の相手を見て驚いたごんべいさんは慌てて玄関の鍵を開けた。





(がちゃっ)



『よっ…』



「あ、あれ?マネージャーさん…今日お二人はいないですよ?笑」




こちらを慌てさせたことなど一切気にせず、気楽な挨拶をしてくる相手に努めて冷静さを装って返す。



『無駄だよ…ドタドタいってたの聞こえてるし…笑』



「なんですかーマネージャーさんー」




『私のことわかってるでしょ…マネージャーさん呼びやめて笑」




なんとか一矢報いたく、名前を呼ばずマネージャーさんと呼び続け距離を取るごんべいさんに呆れ、苦笑する。



「えー?わかんなーい?」



『ぶっ飛ばすよ?』



「こっわ」



『入院できなくさせちゃうぞ』



「怖い怖いって
ちゃんとお会いできて嬉しいです、






奈々未さん」
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