青空シンドローム

□同類は自然と集まる
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俺の周りにはまともな奴はいないのか…
類は友を呼ぶっていった従兄弟にはとりあえず耳を引っ張ってやった


「ちょっと伊達ちゃん!」


机に突っ伏して寝ていた俺はその声に目だけ開けた
誰かはわかるからだ。俺を「伊達ちゃん」だなんて呼ぶ奴は1人しかいない


「昨日真琴ちゃんとカラオケ行ったでしょ!なんで俺様を呼ばないの」


うるさい猿だ。
本気に思われてないがこいつは真琴に惚れてるらしい。最初に俺に近づいたのもそれが狙いなのは間違いないだろう


「集めたのは元親だ。俺じゃねぇ」

「え、チカちゃん?」

「そういや随分真琴と仲良さそうだったな」


腕に顎をのせて呟いたら、猿は音もなく教室を出ていった。どうせ元親に無駄な牽制でもしにいくんだろ

何はともあれこれでゆっくり寝てられる。と目を閉じた途端に…


「政宗ぇ〜!」
「………」


また煩いのがきた…。


「孫市しらないかい?」
「I don't know it」

「そっか…。真琴ちゃんは?」

「Similarly. あーあれだ、元親のとこじゃねぇか。さっき猿も行ったぞ」


面倒になって適当に言ったら、なんでか慶次は「そっか、そうだよな!」と嬉しげに頷いて教室を出ていった


千客万来のおかげで休み時間は休めないまま終わった。無常にもチャイムが響き渡る
仕方なしに体を起こすと、前の席に真琴が戻ってきた。一緒にいたのか孫市も自分の席にいる


「hey 真琴。慶次にどこかで会ったか?」

「え?会ってないよ」

「孫市が何か言ってなかったか。だとよ」

「特には」
「俺に言うな」


仕方なしにっていう雰囲気を出しまくりながら携帯を取り出す真琴。mailでも送るんだろう

ぼんやり見てたら、胸ポケットで俺の携帯が震えた。こっちもmailだ。
すでに授業がはじまってるから机の下でこっそり確認すれば、差出人は元親だ。内容は…

“なんでも俺んとこによこすんじゃねぇ!!(`へ´)”

だそうだ。猿と慶次を向かわせたことだろうが平穏な休み時間のためには犠牲はつきものだ。
みたいな返事を送っておいた。

携帯をしまって頬杖をつき、教師の背中をぼんやりと眺める


「俺の周りにはまともな奴はいないのか?」

「………それ、私も思ったことある」


小声で真琴が応える。聞こえるように椅子ごと引いてきたから俺も耳を向けた


「でもさ、そこで楽しくやれてるってことは私も同類なのかなって」

「………結局それか」


ま、没個性よりはマシだと思ってSchool lifeを楽しむか…



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