FINAL FANTASY
□Go Steady Go!
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「何してるの?ザックス」
空は快晴。そこに羽ばたく鳥を見上げていたザックスに、クラウドは問いかけた。
「今日は髪、セットしてないんだ?」
いつもはセットしてあげてある前髪が、今日はすべておちている。
そして、ザックスの表情も。
常に明るく、周りとフレンドリーな彼が、今は魂が抜けたように空を見つめるだけ。
「………翼が、ほしいな…って、考えてたんだ」
「………え?」
ザックスの言葉に、クラウドは驚いた。
「ガラにもないこと考えてるね」
冗談混じりに返す。ザックスは「失礼な」と言って、ようやく視線をクラウドにやった。
「翼があれば、アイツ等のことを、もっと理解出来たのかな…って思ってさ」
「!」
ザックスの言う、"アイツ等"とは、恐らく先のウータイ戦争で殉職した(と、社内報のメールに書いてあった)ソルジャー1stのアンジールとジェネシスのことだろうと、クラウドは思った。
噂では、この2人は神羅の実験のせいで背中に翼があったそうだ。
あくまで噂であって、クラウドがこのソルジャー1stたちを見かけた時は、普通の人間だった。
けれど。
『ソルジャーはモンスターみたいなもんだ。やめとけ』
ザックスはたまにこんなことを言う。
そして、先程のセリフで、クラウドはこの噂が本当なのだと確信した。
「アンジールも、ジェネシスも…オレは………もっと何かやってやれたんじゃないか……って」
俯き、その長い髪で顔が隠れる。
「……ザックスはさ、その2人を理解したいから、翼が欲しいの?」
「……………え?」
「だって、翼なんかあったら邪魔で仕方がないだろ?」
そう言って、クラウドはザックスを後ろから抱き締めた。
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