ポケットモンスター
□言ってはあげないけど、
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「……あれ?」
たまたま育て家の近くを通りかかったイエローは、そこから出て来た人を見て驚いた。
「…イエロー先輩じゃないっスか。
こんなところで、何してるんスか?」
黄金色の瞳を持つ、図鑑保有者の中の一人、ゴールドだった。
「…ゴールドさんこそ、何してたんですか」
「オレ?オレは、タマゴを受け取りに来たんス」
そう言った彼の腕の中には確かに、ポケモンのタマゴがあった。
「いろんな育て家の人達が"孵す者"の力を借りたがってる。
コイツらの為に、な」
腕の中のタマゴを一撫でする。
「タマゴの為、ですか?」
イエローはタマゴに目を向けた。
別段、変わった様子はない。
「…育て家は、たくさんのトレーナーからたくさんのポケモンを預かりますよね?
だから、タマゴが生まれてもおかしくない状況で、実際いくつかあるんスよ。
………そいつらには、引き取ってくれるトレーナーはおろか、親も居ない。
そんなタマゴたちを孵して、ある程度育ったら野生に帰す。
それが、最近のオレの日課なんス」
ニッコリ、と笑って、またタマゴを一撫で。
イエローは、いつもはガサツでお調子者のゴールドと、今ここに居るゴールドが別人に思えた。
それでも。
「で、結局イエロー先輩は何でここに居たんスか?
用事なら、付き合いますけど」
そう言ったゴールドの笑顔はいつも通りに眩しくて。
「…今からタマムシのデパートに行く予定だったんです。
一緒に来ます?」
もちろん荷物持ちとして、と付け加えれば、「荷物持ちっスか…」と唇を尖らせながらも、イエローの隣に立つ。
「行きましょうか」
「ウッス」
そして二人は歩きだした。
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ゴールド が 好きだ!
可愛い。ゴールドが一番。おま、男なのに孵すって…可愛い。←
何故ゴールドだけ過去編がないのか気になる。