らき☆すた

□ヤンデレなあんたと、ツンデレな私?
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こなた「かがみんや。そちに特命を言い渡すぞなもし」

 昼食後、こなたがいきなり言い放つ。

 あいかわらず‥何の脈絡も無いな。まぁ〜、もう慣れたわよ。

かがみ「・・・えぇーと‥」
こなた「総司令官殿と呼びたまへ!」
かがみ「ああ。はいはい、総司令官さん。それで?何なの?」
こなた「うむッ!‥えっとね、かがみ様〜‥」

 頭の低い総司令官殿だな。

こなた「数学の宿題、うつさせ「嫌よ!」て‥」

 だいたい読めてたから、言い終わる前に即答。まったく‥こいつは毎度毎度こりないわねぇ‥ッて!ちょ!!

 こなたは上目使いに瞳を潤ませ、私を見つめている。

(その表情は卑怯よ、謀ったわね‥ッ!!)

かがみ「あッ、あんたのために言ってるのよ!解んないトコは教えてあげるから、自分でやりな。」
こなた「うふ、なんだかんだ言いつつ心配してくれる、かがみ萌〜」
かがみ「なッ!うるさいっ!!べ、べ別に、あんたのためじゃないん…だからッ」
こなた「どっちだよ」

 駄目だぁ〜、顔が暑い!私、絶対に顔が赤いわね。

 つかさとみゆきは、私達のいつものやりとりを見てニコニコと笑っている。

 いや‥もしかしたら私の顔が赤いから?かな??

(は、恥ずかしいぃ〜)

みゆき「お2人とも仲がよろしくて、微笑ましいです」
こなた「かがみは私の嫁だからねぇ〜」
かがみ「結婚してないわよ‥」
こなた「心の契りは交わしてあるのだよー」
つかさ「ええ〜っ!!そうなの〜?!」
かがみ「いや、まてまて。誤解を招く言い方をするなッ!!つかさもすぐに納得しないの!」

 口では否定してるけど、胸のドキドキは激しくなるばかり。こなたも場所をわきまえて言ってくれると‥って、そうじゃ無くって!

つかさ「えへへ〜‥お姉ちゃん。実は‥私も宿題を‥」
かがみ「つかさ、あんたもかい」
みゆき「かがみさん。私でお役に立つ事がありましたら、お手伝い致しますよ」


と、その時−ー‥



 チッ



 え?舌打ち??

 確かに聞こえた。こなたを見ると、目はすわっていた。

かがみ「・・・こ・なた?」

こなた「‥なんで‥‥邪魔‥するのかな」

 こなたは小さく呟いたつもりだろうけど、私は聞き取れた。

 みゆきやつかさには、よく聞こえて無いみたい。

かがみ「こなた?」
こなた「‥‥だよ、‥ぅざ‥」
かがみ「こなた!!」
こなた「へっ?」
かがみ「あんた、どうしたのよ?」
こなた「う〜ん‥別にぃ。そだ。みゆきさん、放課後の委員会終わったら視聴覚室に来てって先生が言ってたよぉ〜」
みゆき「そうですか。わかりました。」

こなた「あと‥つかさ〜。放課後、体育準備室に来てくれるぅ?ちょっと手伝って欲しい事、あるんだぁ」

つかさ「うんッ!わかったぁ〜」

かがみ「あんたホントに大丈夫なの?‥しゃーない。私も力かすわ」
こなた「さっすが、かがみ。優しいんだから〜。でも2人居ればダイジョブだから、かがみは私の帰りを教室で待っててよ」
かがみ「はぁ??まぁ〜、わかったわよ。ほんとに大丈夫なの?」
こなた「もーまんたいっ!」

 さっきとはうって変わって、こなたは優しい目をして右手親指をグッと立てている。猫口になってて可愛い。

 その姿を見てホッとしたけど、さっきの舌打ちは何だったんだろ?



午後の授業中。



 ずっと頭の中にこなたが居た。

 あの上目使いの顔が、私の脳裏から忘れられない。写メ‥とりたかったなぁ。

(こなた‥あんた今、何してるのよ?)

 うん。わかってるわよ。今は授業中。携帯したら、やっぱ迷惑かな‥って、ちがっ!居眠りしてないか心配なだけよ。



(うん?・・あれ・・嘘っ?!もう放課後??)

 いつ‥化学終わったんだろ。こなたもみんなも用事があるみたいだし、本でも読んで待ってるか。



(えっと‥なになに‥

 放課後2人きりの教室。

A「もう‥我慢できないよ」
B「‥‥」

 真っ赤な夕日が、向かい合う2人の頬を赤く染める。

 否、染めているのは夕日だけではない。

A「‥好きなの。大好きなのッ!女の子同士で、なんて‥変だよね。うん、わかってるよ。でも‥これ以上我慢できない!」
B「私も‥」
A「‥‥ぇ?」
B「私も‥大好きだよ」
A「ほ、ほんとに?!」

 こくりと頷く。

 それを合図に、抱き合う2人。もう離れないように‥。

「こなたっ!愛してる!」
「かがみ!私も‥私も、愛してる!!」

「こなた‥」
「かがみ‥」

ゆっくりと重なり合う2人の唇‥)



かがみ「ちっ、があぁぁーーーうっっ!!!」



 両手で頭をクシャクシャとかき乱す。兎に角、落ち着かなきゃ。

こなた「どたの‥かがみん?」








(・・・・・・・・。)








かがみ「あぎゃぁぁーぁっ!!!?」
こなた「うぎゃぁぁーぁっ!!!?」

 いつの間にか、こなたが私の後ろに居た。

かがみ「ぃいいつから居るのよ?!」
こなた「かがみが叫ぶ少し前から」

 最悪だ。

かがみ「だいたい‥あんたのせいなのよ。なんで、こなたと抱き合う事を想像‥っ!!」

 とたんに、頬に熱を帯びる私。にぃやぁ〜、と笑みを湛えるこなた。

こなた「うん!うん!そっか、そっか!!かがみは‥」

 ポカッ

かがみ「それ以上喋ったら殴るわよ」
こなた「もゔなぐってるじぃ〜〜」

 まったく。そう簡単にこなたのペースに飲まれないわよ。

(あれ?そういえば‥)

かがみ「つかさは?一緒じゃなかったの??」

 瞬間。それまで猫口で、頭をさすっていたこなたがピタリと止まり、目がすわる。

 昼休みに見た‥あの目。

こなた「‥‥あんなの‥どうでもいいじゃん」
かがみ「あんた‥どうしたの?つかさの事、あんなのって、それ「かがみはさっ!!」‥」

 ビクッ!

 背中に悪寒が走る。

こなた「…かがみはさ。私の事、どう思ってるのかなぁ?」
かがみ「ど、どうって‥」
こなた「私はさ…かがみの事、大好き・・・なんだよ」

 ドキンッ!

 胸が高鳴る。

かがみ「な!何言ってるのよッ!だいたい私達、女同士なのよ」
こなた「そんな事…関係無いよ。かがみは?!かがみはどうなの??」
かがみ「どう…って、私だって・・・好き‥よ。別に深い意味は無いわよ」

 しまった‥つい勢いで言っちゃった。

こなた「そだよね〜!かがみは私の嫁!そんなかがみに纏わりつく、あんなのが悪いんだよ‥」

(纏わりつく?あんなの??)

 さっきまでのドキドキとは違う、もうひとつのドキドキに襲われる。嫌な汗が背中を流れる。

かがみ「つかさに何か‥したの?」
こなた「うん、したよぉ〜。かがみに纏わりつく悪い虫は・・・ふふ」
かがみ「ちゃんと答えてっ!!」
こなた「あははっ!!首シメてたら、あの子、目に涙貯めちゃってさ!痙攣してたよ!!」


 キーーーン・・・


 頭痛がする。目眩がする。耳鳴りがする。

かがみ「なんでよ‥なんで‥そんな‥そんな‥」

 ぺたんとその場に力無く崩れる。

 つかさが殺された。

(待って!‥まさか!まさか!!)

かがみ「みゆき‥は?」
こなた「知りたい?あの子の頭を、殴って蹴って‥なんども‥なんども、なんども、なんどもなんどもなんども!なんども!!なんども!!!その度にさ、頭が上に下に右に左にピコピコ動いちゃって‥ふふっ、馬鹿みたいだったよ〜!!」
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