青と赤
□第七章
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昨日の夜遅くまで秋花にあれやこれやと質問されて寝るのが遅くなり次の日、オズワルドは昼近くまで寝てしまっていた。
―――‐‐
「アルフに絶対、怒られる……!」
そう言って部屋を飛びだすと屋敷の庭へ行った。
そこには待ちくたびれたような顔のアルフ達がいた。
「遅いよ、オズワルド。今日は魔術や剣の訓練する日だと言っただろう?」
案の定アルフに怒られた。
「ごめん……」
「あんた、本当に駄目な奴なのねぇ」
秋花に嫌味を言われて、言い返そうとしたがエストアがじっとこちらを見ていたので何も言わずにいた。
「じゃあ、始めよう……とその前に……蓮達のことだけど彼らは僕達の味方になってくれる」
何故か嬉しそうな笑顔で言う兄にオズワルドは驚いて蓮と秋花を見た。
「あたしら、ミグトラに雇われてたけど……あのおっさん、契約金も払わないから……これからは新しく雇い主になったアルフさんのトコにいることにしたの」
と秋花は言った。
蓮も隣で頷いている。
「まだ、信用できねーけど……アルフがそう言うなら仕方ないよな」
―――‐‐
初めの訓練はエストアから魔術を習うことだった。
オズワルドは秋花と共にエストアに魔術について昨日いた部屋で教わっていた。
「まずは、基本的なことから……魔術は主に水、火、、風、土、雷、光、闇の六つがあります」
オズワルドも秋花もそうか、そうかと言って紙にエストアの言ったことを書いていた。
「水や光は主に回復系や支援系の魔術、それ以外は攻撃系の魔術。魔術はそれぞれ人によって覚えられるものが違います。私の場合は光と風です」
「俺は何が使えるかわかるか?」
オズワルドが質問した。
「今はまだ分からないわ。ただ、言えることは使える魔術は自分の本当の心だということ……水は純粋な心、火は情熱的な心、風は優しい心、土は真面目さやいじぱっりな心、雷は怒りの心、光は無垢な心、闇は悲しみや寂しい心」
「じゃ、きっとあんたは土よ。土」
秋花はエストアの話しを紙に書きながら言った。
「どうしてだよ!」
「だって、なんかさ……いじぱっりぽっいもん」
エストアは二人を注意せずに一人で黙々と魔術の説明をしていた。
「魔術は自分の心だから、しっかりと自分の本当の心を理解しなければいけないわ……理解することは少し難しいことだもの、だからやっぱり一番は実戦です。自分の心を理解していくうちに魔術は覚えていきます」
二人の喧嘩が終わったのはエストアの説明が終わる頃だった。
―――‐‐
「はぁあ、バカのせいで魔術についてよく分かんなかったなぁ……」
「あんた、知ってる?バカって言う方がバカなのよ!」
オズワルドとエストアと秋花は魔術の勉強を終え家の庭に出てきた。
外にはアルフと蓮がいた。今まで剣の稽古をしていたのだ。いち早く、兄を見つけた秋花は蓮に駆け寄っていた。
「兄者ぁー!!」
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