青と赤
□第五章
2ページ/6ページ
「紅の……里はどこ?」
「ない……とっくの昔にセイレーンが薔薇騎士を率いて里を壊したからな」
山の頂上そこに紅の里はある……はずだった。リトの目の前にはあるのは、紅の里ではなく廃墟だった。
「エド、どういうこと……?」
「何も知らないお前に教えてやろう。紅の里は2年前に無くなった」
「どうして……エドが知ってるの…」
エドは泣きそうになっているリトを見て微かに微笑んだ。
「どうしてかって、それはある方……ミグトラ様に聞いたからだ」
リトはエドからゆっくりと離れていく。
「エレノ団長はお前を守り……そして安全な場所に連れていけと言った」
「あなたは……何がしたいの!わけがわからないよ!」
「俺はエレノ団長を……あの人を守り助けていくことが俺にとっての生きること……だから!俺はあの人の為に……ミグトラ様の言う通りにしたんだ!出てこい王の兵!」
エドの呼び声で木の影から数人の王の兵が出てきた。
「王都はこれからミグトラ様の手によって悪ければ王によって……崩壊する」
震えた声でエドは言った。
「お前の家族は死ぬ……一人になるのは嫌だろう?エレノ団長は守れと言われたが……お前達、リトを殺せ」
「わかりました」
王の兵はリトに槍を構えて近寄ってきた。
「こないで!」
リトは負傷している右で剣を持った。
だが、王の兵の槍よって剣は手から落ちてしまう。
「貴女も一応は、貴族の血を引いているのでしょう。潔く死になさい」
王の兵の一人が言った。
その言葉で他の兵も槍をリトに向けた。
.