青と赤


□第五章
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フィオーナとマリア、ミドリ達、紅の里、ミグトラそしてウィルのことたくさんのことが謎に満ちたままだった。

リトは今だに機嫌の悪いエドに相談していた。
だが、エドは何も言ってくれない。答えたとしても

「自分で考えろ。俺も自分のことで精一杯なんだ」

としか言わない。

仕方なくリトは紅の里に着くまで、王の兵やミドリ達に会わないよう祈っているしか出来なかった。



紅の里に着いたのは答えが行き詰まった状況の時だった。
紅の里にはリトの予想を越えた光景が広がっていた。


―――‐‐


ローザリア王国‐王都レグニア東、フェライス邸


「ああぁ!くそ!」

「どうしたの?」

オズワルドは屋敷の廊下をバタバタと走っていた。
そこへ、午前の授業を終えたリィムが帰ってきた。

「リィムか丁度いい!父さんはどこだ?」

「…この廊下を真っ直ぐ行ったとこ書斎にいるよ」

リィムは指さして答える。

「ありがとう!」


去っていくオズワルドをリィムは呆然と見ていた。


―――‐‐


オズワルドは書斎に着き、勢いよく扉を開けた。

「失礼します!」

父セイレーンは読んでいた本から目を離し、オズワルドを見た。

「オズワルド、朝から騒がしいぞ…」

「父さん、話しを聞いてくれ!」

「……なんだ?」

オズワルドはずっと手に握っていたらしいぐちゃぐちゃになった紙を父に渡した。

「手紙だ!父さんに!」

セイレーンは息子の手からぐちゃぐちゃな紙を受け取ると読み初めた。



『セイレーン、貴方は王を説得し、そして紅の里を壊し薔薇騎士を止めて欲しい。これ以上は失いたくないでしょう。貴方がよい働きをしてくださることを期待しています。』



「父さんへの手紙だろ?王を説得しろとか紅の里とかわけ分からないこと書いてて……」

父は黙ったまま手紙をぐちゃぐちゃに丸めゴミ箱に捨てた。

「どうしたんだよ……顔が真っ青…」

「何でもない」

「な……何でもないわけないだろ!ちゃんと説明してくれ……下さい!」

父はぐちゃぐちゃにした手紙を見つめ黙ったままだ。

「父さんは全部知っていて……それどころか、この手紙の差出人と手を組んで何かしようとしてるんじゃないのか……?」

「あぁ……その通りだ。私はその手紙の差出人と共に壊したよ……紅の里を」




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