青と赤
□第四章
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リトとエドはすぐ先も見えないような暗い森を歩いていた。
「暗くて何にも見えない…」
つまずききそうにながらリトはゆっくりと歩いていた。
「紅の里ってどうして首都から離れてる森の奧にあるの……?」
リトの疑問を彼女の前を歩いているエドが答えた。
「紅の里というのはもとはローザリア王国とは無関係な所だからだ…とエレノ団長から聞いた」
「うーん、やっぱりよく分からない…」
エドは少し顔を困らせる。
「俺もそれ以上は何もしらない」
下を向くエドにリト慌てて言った。
「ごめん!こ、困らせるわけじゃなかったの!」
エドはリトに顔を向けると少し微笑んだ。
その表情にリトはドキッとさせられた。
何故なら彼の表情が兄のオズワルドそのものだったからだ。
「すまない…」
「ううん……」
(さっきの表情、オズワルド兄さんにそっくりだった)
「た、助けて…!」
その場に立ち尽くしていた二人に突然、声が聞こえてきた。
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