青と赤


□第三章
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辺りは見渡す限り一面緑色。リトは紅の里を目指してこの草原を歩いていた。


「街を出る前にここが近道だって聞いたのに……違うの?」


ぶつぶつと呟いていたら、木陰を見つけたので休憩しようと近づいた。
よく見ると先客が一人いる。

「こんにちは…」

リトは恐る恐るその人に話しかけた。
だが、返事は帰ってこない。仕方ないかとリトは思いその人の隣に座った。


―――‐‐


休憩してから時間があまり経たないうちに、茂みからガサガサと音が聞こえてきた。

(な、何かいる!?)

リトは無意識に腰にさしていた剣に手を伸ばした。
だが、掴んだのは剣ではなく自分のスカートだった。

「あれ…?剣がない…」


自分の腰を見てみるがやはり剣はない。
そして、剣とともに隣でいたはずの人も消えていた。リトは一瞬で全てを理解した。


「剣が…盗まれたぁ!!」



リトは先ほど音がした草むらに慌てて飛び込んで行った。



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