STORY

□秋の日
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無事…ではないが学園祭ライブが成功し、すっかり秋も深まった夜長な日の話。

〜♪

反省とこれからの曲作りも兼ねて、さわこ先生が録音しといてくれた演奏を聴く。

トントン、トトトン

自分の音を拾っていると、自然とドラム、律の音も拾ってしまう

「(やっぱり、ここ走りぎみだな)」

リズム隊という事もあるからか、律がどんな時に走るかなんとなくわかる。

「律…」

そして、ずっと一緒にいるからか律のリズムに込められた想いもなんとなく伝わってくる

キミにときめき恋かもあわあわ
ハングリー精神止めらんない くらくら

『唯、初めてあった時はホントどんくさくって大丈夫か?って、思ってたけどそんな心配は無用だったな』

お願い 熱々お皿のカレースパイスひとさじ刺激ちょうだい
甘口じゃなく今日は中辛なの 大人味なの
お肉 お野菜 ヒミツの隠し味
育ち盛りの欲張り恋心

『ムギ、いつもありがとな!
アタシたち軽音部がここまで上手くなれたのはムギのおかげだ!
これからも頼むぜ♪』

大好きコトコト煮込んだカレー スパイスふたさじ経験しちゃえ
だけど限界 辛すぎてもうダメ


『澪、おまえにはいつも迷惑かけてばっかりだな。
でも澪がアタシの事見ててくれるから、安心して部長ができるんだぜ!』


ピリリ〜ピリリ〜ピリリ〜
Oh、NoNoNoNo!カレーちょっぴりライスたっぷり


『皆、この場にいるやつ全員にアタシたちの全力の演奏を聴かせてやろうぜ!』

「……反則」

律はいざ!って時、どうしてこんなにカッコいいのだろう


「って、私は何考えてるんだ」

違う違う違う!今はぷち反省会をしてるんだろ!

ぶんぶん、と頭を振り、気を取り直して自分の音に集中する



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