浮世綱渡り
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きっと見合いで「後は若い者同士で」というおせっかいを受けたらこういう空気が流れるのではないかと思われる。
しかし気まずさで言うなら見合い程度とは比べ物にならないだろう。
なんてったってご趣味は、という定番の話題も通用しないのだ。
伝説の忍と二人っきり。
こんな場合どう切り出していいのやら皆目見当が付きません先生。
薄明かりに照らされて布団が見える。
目に入った瞬間一組しかないそれに俺はいささかぎょっとした。
まさか二人で寝るわけではあるまいな。
だがそう考えたのも一瞬だ。
あくまで姿勢を崩さない小太郎見てすぐに納得した。
小太郎は小田原城ガイド役というよりも俺を見張っているような感じみたいだし、監視役の忍が対象を目の前にしてぐーすか寝こけるわけがない。
というかむしろ小太郎が布団に入って寝ているところが想像できないわけで。