浮世綱渡り

□7。
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となるとその前に小太郎が起こしたことになる。


起き上がっていくつかの襖を開け外を覗くとヒヤッとした風が通り抜けていった。

季節自体は桜も咲いていたし春に違いはないらしいがやたらと寒い。

いや、時代を考えれば温暖化だなんだと騒がれていた現代の春より数段寒いのは当然か。


にしても。








起こすの早すぎだ、小太郎。







外はまだ太陽が昇る前で、闇が薄らいではいるが大分暗い。

一体何を思ってこんな時間に起こしたんだ。


別に朝が弱いわけじゃないけど限度ってもんがあるだろ。

もしかして戦国時代ではこんな時間に起きるのが普通なのか?


そうだとしたら俺は命云々とはまた違った方向で生きていく自信を失う。
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