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□不二周助2月29日(アイスランドポピー〜陽気でやさしい)
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優しいなんて、そんなの表向き。
本当の僕を知ったら…景吾はどう思うかな?



《アイスランドポピー〜陽気でやさしい〜》
―不二周助―










「兄貴ー!景吾さん来てるぜ?」


裕太の呼びかけで、サボテン達に水をあげるのを中断して少しドキドキしながら玄関へと向かう。


僕と景吾は付き合って1年が経った。
普通のカップルというものは、1年経てばドキドキなんて失せて相手に慣れてしまうものだと聞いた。

当然僕もその類いだと思っていたのだが、どうやら想像とは違い…以外にも自分はピュアだということがわかった。
何故なら、未だに景吾を見ると胸が張り裂けそうになるぐらい……好きで、好きで、大好きで。


こんなこと誰にも知られたくないのだけれど、どうやら裕太は見抜いたようで
「兄貴にしては入れ込んでるじゃん」と言われたっけ…。


「やぁ。随分早かったんだね」

僕は感情を顔に出すまいと、いつもの表情で出迎える。

「ああ。久しぶりに周助に会うと思うと……な。そわそわしちまって…」

「いいなぁ。兄貴は!こんなに美人で可愛い人が彼氏なんて…。ねぇ、兄貴の何処がいいんすか?」


景吾は付き合い当初より、大分まるくなったと思う。
最初の頃は近寄るなとか、簡単に好きとか言うな、って言っては僕とのスキンシップを拒んだりしてたっけ。
懐かしいなぁ…


「だーめ。景吾は誰にも渡さないよ?裕太」

「しゅ、周助!止めろよ。 恥ずかしいだろ…」

顔を真っ赤にさせてうつ向く様は、本当に可愛いくて。
真田の言葉を借りるなら、たまらん! って感じだ。


「今日は周助の好物買ってきたんだ。一緒に食おうぜ?」

「好物って、林檎?」

「正解。林檎のケーキ。旨そうだろ?ほら…」


景吾はいつも家に来る度に気を使って何か持ってきてくれる。
しかも必ず自分で選んだものをだ。
その気持ちが僕は嬉しかったし、愛されてると実感する。


「林檎のケーキ食べたら―……デザート食べなきゃね」


耳元で囁くと、景吾はケーキの林檎に負けないぐらい真っ赤になった。

「デザート2つも食べるなんて、贅沢モノ」

「ふふ。いいじゃない。たまには……ずっと我慢してたんだから―……ね?」


僕は景吾を自分の部屋へと無理矢理誘導した。
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