B-dream

□01.決意
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中学3年に進級して、俺はバイクに乗り始めた。
もちろん無免だったが、阪東たちが乗っているのをいつも遠目に見ているのは、そろそろ我慢の限界だった。
バイクを買おうと思って雑誌とかを読んで、阪東に相談もした。
コレを買おうと思う、と指差したのを見て、阪東は「まぁ…イイんじゃねえの」と言ったので、それに決めた。

「お前金はどーすんだ?」
見ればそのバイクは30万した。
俺の月の仕送りは30万だから、ちょうど良い。(マンションは父親が買ってくれたので、家賃は要らない)
そう言ったら「生活どうする気だバカ!」と怒られた。
普通はどうするもののかと尋ねたら、バイトなんかでコツコツ貯めたり、ローン組んでちょっとずつ払ったりするらしい。
でも俺はすぐにでもバイクが欲しくて、そんな待っていられない。
大体中学生だからバイトは出来ないし、ローンを組むにしても保証人がいない。
そう言ったら阪東は少し考えてから、ため息をついた。

「しょーがねーな…。
俺が乗らなくなったバイクだったらあるから、それちょっと修理すりゃ乗れんだろ」
その雑誌に載ってるバイクより、大分見劣りはするけど…と阪東は言ったけど、俺は目を輝かせた。
阪東のおさがりなんて、そんなのどんな高級なバイクよりもすごい。欲しい。
そう言って、阪東にバイクを譲ってもらえる事になった。
俺はその日、嬉しくて眠れなかった。



そんな事をしている間にも、阪東は武装と鈴蘭で色々大変の様だった。
おまけに鈴蘭の方で派手なケンカをしてしまい、停学になった。
別に阪東が停学になるのはこれが初めてじゃないけど、今回は少し長かった。
でもその間阪東は俺の部屋に入り浸ったから、俺としては阪東と一緒にいられる時間が増えて嬉しかった。
ちなみに、千田と山崎も停学になったけど、あの2人は俺の家を知らない。
一人暮らしになった時、阪東に「あいつらに教えたら、溜まり場にされるから黙ってろ」と言われたので言っていないからだ。
別に俺はそれでも構わなかったけど、阪東が嫌ならそれで良かったので黙っていた。

それからまた一週間程経って、阪東の停学が解けた。
今度こそ、あの3人をつぶして鈴蘭を手に入れる。
阪東はそう言って出て行った。

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