☆颯季の本棚☆

□darkness
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T:変わらない毎日


―DA屋上


遊城十代はいつものように屋上で授業をさぼっていた。


「はぁ…早く授業終わんないかな…暇すぎる。」

いつものように呟く。
変わらない毎日なんて、つまらない…


何も変わらないか…


「確かに暇だな…」

………。

ガバッ

十代は勢いよく起き上がる。

(ちょっと待てぇぃっ!!!今のは俺じゃない…でも授業中だし…此所には俺しかいないはず…)

十代は、おそるおそる声のした方をみた。

「あ…万丈目?」

そこには万丈目が立っていた。

「さぼるとは…いい御身分だな。」

「ははは…」

十代は万丈目の棘の刺さる言い方に苦笑する。

「こんなとこで、何してる。」

「ん―?普通にいつも通り…」

「考え事か…?珍しいな」

万丈目は十代の隣に腰を下ろす。

「考え事、なのかなぁ…」

「考えていたなら考え事だろう?」

「それもそうだよな!」

こうやって、皆といられるのは、あとどのくらいなのだろう。

今、そう考えてる。
何故かは、分からないけど。

「万丈目は、なんで此所に?」

十代が聞くと、万丈目は悲しそうな顔をした…

(…どうしたんだ?万丈目…)

そんな万丈目が珍しく、慌てる十代。

「…ちょっと、あってな…」

いつもとは違う、震えた声…

「…万丈目…?なにが…」

万丈目は立ち上がり、扉へと向かった。

「おいっ、万丈目っ…」

十代が万丈目を呼び止める。
扉のまえで立ち止まり…

「……十代、闇に気をつけろ…」

そう言い残して、万丈目は屋上から出て行った…



コノ時ニ、何カガ変ワッタ…







 
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