*text*

□1分1秒
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「帰んな。」






…え?




「あないな事聞かされたら岳人帰されへんやんか…。」


侑士はそのまま俺を腕の中に抱き締めると、切なそうにそう言った。

「だって俺、制服もジャージもカバンもなんも持って来てねえし!」
「1分1秒先の事だってわからんねやろ?帰りに岳人が事故にでも遭ったらどないすんねん。」
あー…そっか…。さっき俺、ソレ言ったわ…。

「明日、朝早起きして、二人で岳人んち行って、支度してから学校行けばええやん。ホラ、家に電話しとき?」

何てゆーか。ちょっと嬉しい、かな。
侑士も同じキモチになってくれたんだ、って。



「…わかったよ。でもな!泊まるっつってもお触り禁止だからな!!」
「えー…?折角二人の愛を確かめ合ったトコやのにー…?ちょっと位ええやん、なあ?」
「お前のはちょっとですまねーから言ってんだよ!!」
抱き合ったまま話す内容としては際ど過ぎて。
俺は侑士を押し返そうとしてみたけどやっぱチカラでは敵わねー。


「離せよ!!」
「岳人がお触り禁止って言わなくなるまで離しませんー。」
「家に電話すんだよ!!」
「このまますればええやん?」
ああ、もう!!
結局いつも侑士のペースに巻き込まれてなあなあになるんだ。
いつもいつも絆される俺。
でも、そんなのもいっか。
なんてのも惚れた弱みなのかな。



















…結局翌朝。







俺は動けませんでした。






二人仲良くチコクして、跡部に散々イヤミを言われました。

動けねーから、思いっきり口で侑士には悪態付いてやったけどよ。
暫く口聞いてやんねー。



END
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