*ありきたりな僕らの日常*

□ありきたりな僕らの日常6
1ページ/1ページ

「キスしろ。」


「…何で?」


「理由なんてあるかよ。」


「えー…。」


「何だよ、出し惜しみすんなよ。」


「出し惜しみちゃうねん。そんなしとったら有難味失せるやろ?」


「俺がしたいんだからしろよ。」


「だからそんな簡単にするモンちゃうて。」


「だー!もー!男らしくねえなー!」


「男らしい関係あらへんやん。」


「いーからしろよ、ホラ、んー。」


「しゃあないなぁ…。知らんで?」


「…?何で腕にすんだよ。」


「さぁな?」


「何で口にしねえんだっつーの!」


「グリル・パルツアーの名言、知らん?」


「誰だよ、ソイツ。」


「手の上なら尊敬のキス。額の上なら友情のキス。頬の上なら厚情のキス。唇の上なら愛情のキス。閉じた目の上なら憧憬のキス。掌の上なら懇願のキス。

…………………腕、と首なら欲望のキス。さてそのほかは、みな狂気の沙汰。」


「…………………っ…!!」


「さぁ、どないする?岳人。」


END

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ