*ありきたりな僕らの日常*

□ありきたりな僕らの日常5
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「もしもさ、『神様』ってモノが本当に居たらどうする?」


「神様?」


「うん。手塚は何を願う?何を叶えて貰う?」


「神様など居ない。」


「…参ったな…。話、終わっちゃったよ…。」


「自分で掴み取らない物になんて何の価値も無い。」


「ん。そうだね。」


「乾はその手に何を掴む?」


「そうだね、俺は欲張りだから。」


「…意外だな。」


「そう?だって、テニスだってもっと上へ行きたいし、それに手塚をこの手で抱き締めたい。」


「俺は無欲なんでな。」


「だろうね。」


「俺はテニスが出来て、乾を抱き締める手があればそれでいい。」


「…成る程…観点の違い、ってこと。」


「そうだ。」


「ねぇ、俺達…結構なバカップルじゃない…?」


「俺は違う!!お前だけだ!!」


「だってお互い抱き締められる手があればそれでいいなんて。」


「…テニスもだ…。」


「しっかり掴んでなよ?」


「ああ、絶対に離さない。」


「ちゃんと握ってるんだよ?」


「俺は欲しい物は必ず手に入れる。」


「俺も絶対に離さないから。」


「ああ。」


「手塚がどう思ったって離さないから。」


「お前からは逃げられそうにも無い。」


「愛に限界が無いと言うのなら、それを確かめに行こう。」


「「二人で。」」


END

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