未来部屋
□真夜中のミルクコーヒー
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カチャリ
深夜1時
鍵が閉まってたはずのドアが開く。
寝る前にホットミルクをいれたばかりのオレは、ため息を1つ。
今日はまだ眠れそうにない。
「…また来たの?」
彼の定位置である(お気に入りらしい)ソファーに足を組んで座るリボーンは、11才とは思えないほど威圧的な雰囲気を纏っている。
「エスプレッソ」
当然のように注文してくるリボーンに、オレは少しムッとする。
「ここはカフェじゃないよ」
そう言いつつも台所に立ってしまうのは、言うこと聞かないと鉛玉が飛んでくるから。
「これ飲んだら帰ってよね」
リボーンにカップを渡し、彼の向かいのソファーに腰かける。さっきいれたホットミルクはぬるくなってしまっていた。
ああ、オレは熱々のミルクが好きなのに。
リボーンは最近よくオレの家にやってくる。そして珈琲を飲み、時にはご飯を食べて帰るのだ。
正直意味がわからない。
一応オレはリボーンの命を狙ってるんだぞ?
リボーンは珈琲を一口飲むと満足気に微笑んだ。
「…悪くねぇ」
オレは目を丸くしてリボーンを見つめた。
…もしかして今褒められた?
「おいしいってこと?」
リボーンは質問には答えずにまた珈
琲を一口飲む。
否定しないってことは…
……どうしよう。なんか嬉しい。
思わず緩みそうになる頬を必死で伸ばした。
が、
「よろこべ。お前は今日、牛から家畜に昇格したぞ」
「……はぁ?」
リボーンの発言に、つい間の抜けた声が出た。やっぱりこいつはわからない。
「牛と家畜ってあんま変わらなくない?それにオレ牛でもないし」
「いや、変わるぞ」
即答きました。どうしよう明日は雨だ。リボーンがオレの言葉に普通に反応した!
「家畜には所有者がいるだろ?」
うっわぁ、すごくいい笑顔…
「だからお前は今日からオレのもんだ」
カチャン、
カップが手から滑り落ち、冷えてしまったミルクがテーブルに零れた。
布巾を取ろうとあわてて立ち上がったオレの腕をリボーンが掴む。
その反動でリボーンのカップもコトンと倒れ、珈琲が零れた。
ああ、もったいないな…
零れたミルクと珈琲がテーブルの上で混ざっていくのが目の端に見えた。
「ランボ、」
「……っ!!」
「ぜってー逃がさねーぞ」
そんなに真剣な目でオレを見ないで
その漆黒の瞳に捕らえられたら逃げられないんだ
お前を好きだと
錯覚しちゃうだろ
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