コラボ小説

□青い水平線〜刹那
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俺は任務を追え、基地に帰る途中だった・・・。どうしてこうなったのか分からない・・・
何かの冗談なのか?それとも、映画の見すぎか・・・?突然、眩しい光に包まれて
吸い込まれたかと思えば・・・目の前には見た事もない船の甲板の上に立っていた・・・。
「一体ここは何処なんだよ・・・」
「オォォ・・・」
後ろから唸り声のような低い声が聞こえ声がした方へと目を向けると、信じられない光景が
飛び込んできた・・・。
胸にナイフが刺さった人間の兵士・・・血だらけの戦闘服を見に纏った兵士・・・複数が
近づいてきていたのだ。
「なっ・・・!?」
慌てて手にしていたM4A1アサルトライフルを構え人間兵士の胸部に照準を合わせる。
それに対し、人間兵士は恐れる事無く拳銃を構え近づいてくる。
ガシッ!
突然、後ろから何者かが羽交い絞めにしてきたため身動きが取れなくなる。と同時に、前方から兵士が
どんどん近づいてくる。
ドッ!ドガッ!ガシッ!!
腰を動かし、右手で股間に金的・肘で脇腹を肘撃ちし・裏拳で頭に直接攻撃とコンボを繋げ攻撃する。
すると、腕の力が少し弱ったためすぐさま振り払い。兵士の襟首を掴むと同時に、前方へと投げ飛ばす。
投げ飛ばされた兵士は、仲間を巻き込みながら甲板の床へと叩き付けられ激痛に呻き声を上げていた。
「なんだってんだ・・・」
反動で投げ飛ばしてしまったM4A1を拾い上げ間を置くと同時に逃げ道を探す。
目に入ってきたのは、倒れている人間兵士の少し後ろにあるハッチ。その他、
周りを見回すも船内に入れそうな場所はそのハッチしかなかった。
ダッ!!
ハッチに向かい甲板の床を軍靴特有のグリップ力で蹴り走り出す。
途中、まだ倒れている人間兵士の背中を踏みつけたが人間兵士は呻き声をあげるだけで
立ち上がろうともしなかった。
ガチャ・・・キュキュキュ・・・
ハッチについているハンドルを回し、ハッチを開け右手にMk23を構え中の様子を覗うと同時に
中へ進入しハッチを閉めハンドルを閉める。
ドンッ!ドンドン!!
ハッチを叩く音が聞こえてくる。だが、中からロックしたため中へと入ってくる事は無いだろう・・・。
「龍人ちゃ〜ん・・・逃げても無駄だよぉ・・・」
突然、ハッチの向こうから低い声が聞こえてくる。どうやら、外に居る兵士達は喋れるらしい・・・
だが、様子が可笑しい・・・。何かに洗脳されたような感じだ・・・。
コツ・・・コツ・・・コツ・・・
暗い廊下をレッドフィルターを装備したMK23のライトを頼りに歩く。壁を見ると、所々・・・弾痕があり
床には幾多もの薬莢が落ちていた。
「戦闘後か・・・、一体何と戦ったら、こんなに散らかせるんだ・・・?」
床に転がる異様な数の薬莢を軍靴の靴先で軽く小突き落ちている薬莢を1発拾い上げる。
薬莢を見ると、口径は5.45mm×39mm。どうやら、ここの兵士はAk74を使っているらしい。
「5.45mm弾か・・・こりゃ・・・撃ち込まれたくない弾丸だな・・・。人体に残りやすい分・・・後処理が大変だ・・・」
手にしていた薬莢を床に投げ落とし、先に進もうとした次の瞬間。
ガタッ!
突然、前方から物音が聞こえ赤い2つの光りが視界に入る。最初は、それがだんだったか分からなかったが
凄い勢いでこっちに近づいてきたためMK23からM4A1に持ち替えフルオート射撃しながら後退する。
ダッ!ダダダーッ!!
狭い場所なため銃声が反射し廊下に小口径ライフルの銃声が鳴り響く。発射されたときのマズルファイヤの光りが
周りを照らし、左側の壁のドアを照らし出す。ドアには、(火気厳禁・武器庫)と書かれていた。
「逃げるが勝ちだ!」
後ろに後退していた体を急停止し、左足を軸に体を回転させ回し蹴りでドアを蹴り破りそのままの勢いで
室内へと逃げ込み。すぐさまドアを閉める。
ドガッ・・・!
ドアに勢いよく重量物なものがぶつかる音が聞こえドアが変形しビクとも動かなくなる。
暫くして、ドアの向こうから気配が消え再び静粛に包まれる。
「ちっ・・・弾がもうねぇ・・・」
ベストのポーチ内を見ると、弾薬が心無かった。まぁ、任務帰りで弾は殆ど使っていたし
仕方が無い。せめてもの救いは、45口径と40mm口径が残っている事だ。
周りの木箱を開けるも、中にはAk74くらいしか入ってなく。お目当ての5.56mm弾はなかった。
「動くな!」
「・・・」
木箱を漁っていると後方から少し訛った声が聞こえ、後頭部に銃口の冷たい感覚が当る。
力強く銃口を押付けているようで少しスライドが後退していることが直ぐに分かる。
カチッ!!
「あ・・・あれ?」
スライドが少し後退しているため、撃鉄は銃弾を叩く事無くスライドを叩き金属音を響かせるだけに終わり
兵士の情けない声が耳に聞こえてくる。
両手を下ろし腕を後ろに回し、兵士の腰を掴み拘束すると同時に体を前へと折り曲げ兵士を前へと投げ飛ばし
地面に叩きつけられた兵士の腹部に思いっきり軍靴で蹴りを叩き込み。右足で銃を握っていた右手を踏みつけ
頭にMk23の銃口を付きつけ近くの木箱へ向かって叫ぶ。
「底に隠れているのは分かっている!仲間の命が惜しければ出て来い!」
「・・・」
ガラガラッ!!
タターン!
突然、木箱が崩れ粉塵が舞い上がり一瞬にして視界が奪われると同時に粉塵の中で
火花が散るのが見え俺の腹部に激痛が走り後ろへと投げ飛ばされる。
「や・・・やったか・・・?」
粉塵の中から、拳銃を握った人間兵士が現れ俺が先程踏みつけていた仲間の兵士を
助け起しながら俺に銃口を向けていた。
「し・・・死んだろ・・・?こ・・・こいつ・・・人間じゃ・・・無いよな・・・?」
「・・・装甲服・・・着た・・・龍人をたった2発で倒せると思ったか・・・?」
両足を持ち上げ背中を曲げると同時に足を振り下ろしその勢いで体を持ち上げ
素早く立ち上がりそのままの流れで、左足を軸に体を回転し右足で二人の武装を蹴り落とし
尻尾で二人まとめて壁へと叩きつける。
「ぐがっ!」
「ぐぉっ!」
激痛に二人の兵士が同時に声を上げる。怯んでいる兵士の一人の上に木箱を落とし、重みで体を
床へと押さえ込ませ。もう一人の兵士の胸倉を掴み壁へと叩きつけ、牙をむき出しにしながら
尋問する。
「言え!ここは、何処だ!それと、外の奴等は何だ!!」
「・・・俺は・・・ランド・・・二等兵・・・。外の奴等は・・・、変な無線を聞いてから・・・
あんなふうに成った・・・。元々は仲間だ・・・」
「よ〜し・・・良い子だ・・・二等兵。俺を攻撃してきた理由は、奴等と見間違えたからか?
そうじゃなければ・・・二人とも死んでもらう・・・。言っておくが・・・俺は、そこの兵士のようなへまはしない。
確実に、この45口径ACP弾を頭に撃ち込み脳みそをぶちまけられるぞ」
「うぅ・・・アンタを攻撃したのは、奴等と間違えたからだ。あんたこそ!何者なんだよ。龍の里には、
アンタみたいなのいなかったぞ」
龍の里?コイツ何をいっているんだ。どうやら、俺は変な世界に入っちまったらしいな・・・。
これ以上、尋問したところで何の情報も得られそうに無いな・・・。
ドサッ!
胸倉から手を離し、兵士を床に落とし隣で兵士を抑えていた木箱を退かし2人同時に起し立たせる。
「俺は、ネス。階級は軍曹だ。現在の所属は、傭兵だ」
「傭兵・・・?何故、傭兵がこんなところに居る?」
「さぁな・・・基地に帰る途中に、変な光りに巻き込まれた。どうせ信じないだろうがな・・・」
「ふ〜む・・・」
「ところで、5.56mm弾は無いのか?」
「そこの棚の箱に入っている。あんた・・・見たところ、人間じゃないな」
「そうだ。俺は人間じゃない・・・龍人だ。そういえば、名前は?」
「キョンだ。」
「キョン?面白い名前だな。異国の事はよく分からないが」
棚においてある箱を開けると中には、5.56mm弾が装填されたM16マガジンが綺麗に並べられていた。
箱から必要な分のマガジンを取り出しポーチに収納しM4本体のマガジンも新しいのに交換し
チャージングハンドルを引き初弾を装填すると同時に、撃鉄を起す。
「そういえば、ランドと言ったな。粉塵の中からの射撃は見事だったぞ。それと、キョン。
オートマチックは、押付けてはダメだ。スライドが後退しハンマーが完全に下りない」
これが・・・俺とランドの最初の出会いであり・・・。恐怖の始まりでもあった。
 

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