少年兵ランドの戦い
□隔てられし意志
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ボッ…
頬に冷たい感触がする。
ふと見上げと、うす暗い灰色の空から冷たい雨がふりそそぐ。
その冷たさは僕とスカイアが盛り上げた(?)場の雰囲気を一気に冷ますのに十分効果はあった。
「なあ…若き少年司令官ランドさんよ…」
その沈黙を破ったのは以外にも中年の兵士だった。
「良い兵士ってのはな…実戦能力だけじゃないんだ。そりゃ…実戦能力は多少は必要だがね…肝心なのは全体を見ることができる兵士。それが、良い兵士だ。戦場の全体、兵士達の全体。それらを見分けられる能力を君は持っているよ。おじさん達には無い、純粋で素直な判断力をな…おじさん達もまんまとその判断に乗せられてしまったようだな…ハッハッハ!」
暗いムードに包まれていたトラックに明るい笑いが響く…
「おじさん…名前は?」
「おいおい…私はまだ若いよ!!」
「だって…自分でおじさんって…」
「…こりゃ一本取られたね!実に戦況を見てるな。ハハハ…いいだろう…おじさんの名前はラシャル・テペだ。階級は…あいにく今は君の下だがね。」