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【オラトリオVer.】


「なに、してるの」

「おう」

突然目の前に現れた大男に、呆れながら声を掛ければ、軽やかな返事が返ってくる。
男の背後には、目隠しを兼ねた背の高い垣根があるだけ。
現れた場所が場所だけに、一体何をしていたというのだろうか。

「探しものだ」

「そんなトコに、ねぇ」

予め、用意されていた返事だろうに、まったく白々しい。
嘘なのは分かっているが、それにしても、もう少しマシな誤魔化し方はないものか。

「ま、気にすんな」

「はいはい」

深く追究したところで、この男がまともに答えるとも思えないので、これ以上は触れるつもりもないけれど。

「髪の毛に葉っぱ付いてるよ」

正確には、トレードマークのトルコ帽に、ブローチよろしく、青い葉が貼り付いている。

「お、そうか?」

見えるはずもないのに、オラトリオは上目で見上げて見せて、手探りで取ろうとする。

「いいよ、取ってあげる」

そう言って手を伸ばしてはみたが、もちろんすんなりとは、長身のこの男の頭に届くはずもなく。
支えに男の胸元に手を掛けて、背伸びをする。

「あのね。少しくらい、屈んでくれてもいいでしょ」

人が取ってやると言っているのに、意地悪げににやつくだけだ。

「そうだなぁ」

もったいぶって思案するふりをしながらも、のろのろと頭が下げられる。
さっさと屈んでくれればいいのに、と改めて手を伸ばせば。
不意打ちに、唇を掠め取られる。

「オラトリオ!」

驚いて飛び退けば、そこにはしてやったりとばかりに、満足気な顔。
人の親切心を何だと思っているのだ、この男は。

「…もういいわ。そのままいれば?」

腹立たしさに、悔しさと呆れが混じった言葉を投げつけて。
あっさりと、オラトリオも葉っぱも捨て置いて、くるりと背を向けた。





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