【AnotheR WorlD】

□輪廻-transmigration-
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「ん?なんだろ、あれ」

森の中を少し入った木の影に、木漏れ日でキラリと光る何かがキラの目に留まった。ハンディのPCみたいなソレは、半分埋まった状態だった。

「誰かの落とし物かな?」

近づき拾い上げるキラ。見かけない型で、誰の物かは分からない。PCに名前を書く人はそうそういないので、キラは起動してみようと試みた。もしかしたら手掛かりが見つかるかもしれない。それに…。

「ちょっとくらいならデータ解析しても良いよね♪見た事無いタイプだし、楽しみ」

キラはプログラミングに自信があったし、なによりその機械の性能に興味があったため戸惑いなくキーを押していく。キーボードに書かれている記号は理解できなかったが、いつもの要領でカタカタと叩く。

「ん〜?可笑しいなぁ…あ♪」

やっと反応しだしたソレは、パァッと光を放つ。そして、ディスプレイにつらつらと文字が列んでいく。

「J.G.3495 ヴェサリウス国 AAA-AEFポイントへ転送開始…?なにそれ?」

はぁ、なんだ…おもちゃか、と落胆したキラだが次の瞬間光に包まれる。

「えっ?な、何?…!?身体が…!」

消えていく、そう言おうとしたキラだがその時には彼女も、そして機械も跡形も無く消えて失くなっていた。
講義中で森の中ということで、その場面を見たものはいなかった。


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