【AnotheR WorlD】
□輪廻-transmigration-
3ページ/6ページ
「ん?なんだろ、あれ」
森の中を少し入った木の影に、木漏れ日でキラリと光る何かがキラの目に留まった。ハンディのPCみたいなソレは、半分埋まった状態だった。
「誰かの落とし物かな?」
近づき拾い上げるキラ。見かけない型で、誰の物かは分からない。PCに名前を書く人はそうそういないので、キラは起動してみようと試みた。もしかしたら手掛かりが見つかるかもしれない。それに…。
「ちょっとくらいならデータ解析しても良いよね♪見た事無いタイプだし、楽しみ」
キラはプログラミングに自信があったし、なによりその機械の性能に興味があったため戸惑いなくキーを押していく。キーボードに書かれている記号は理解できなかったが、いつもの要領でカタカタと叩く。
「ん〜?可笑しいなぁ…あ♪」
やっと反応しだしたソレは、パァッと光を放つ。そして、ディスプレイにつらつらと文字が列んでいく。
「J.G.3495 ヴェサリウス国 AAA-AEFポイントへ転送開始…?なにそれ?」
はぁ、なんだ…おもちゃか、と落胆したキラだが次の瞬間光に包まれる。
「えっ?な、何?…!?身体が…!」
消えていく、そう言おうとしたキラだがその時には彼女も、そして機械も跡形も無く消えて失くなっていた。
講義中で森の中ということで、その場面を見たものはいなかった。
.