【MaiN WorlD】
□Change the World
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「昔みたいに、手を繋いで帰ってもいい?」
キラの突然の申し出にアスランは戸惑う。昔は当たり前に出来たことが、今は出来なかった。しかし意を決してアスランは気恥ずかしさに頬を染めつつ手を握る。
そして二人は通い慣れた通学路をゆっくり歩き始めた。今までを懐かしむように…。
*****
「アスラン、公園寄っていこうよ?」
キラは、小さい頃遊び疲れるまでいた公園の前で足を止めた。アスランは微笑みながら承諾する。キラは、公園の奥にある木のベンチに座った。アスランもそれに続く。
「よく遊んだねぇ、この公園で。あの頃は疲れ知らずだったなぁ」
公園で遊ぶ小さな子供達を、目を細めながら見遣るキラ。近くを見ているようで、遠い過去を見ているキラをアスランは見つめて、目を閉じた。
「あぁ、そうだったな。でもキラは疲れ知らずなんかじゃなくて、疲れたらすぐ寝てたんだよ。そんなキラを家までおんぶしていくのは大変だった」
クスクス笑うアスランを、照れたように睨むキラ。
「も〜、変な事覚えてないでよぉ!もっと楽しい事思い出して!例えば、近所のクレープ屋さんが美味しかったとか…」
キラは自分で言ったことで、クレープ屋の事を思い出し、走っていった。アスランがベンチに座って待っていると、案の定キラはクレープを買って戻って来た。
「はい!アスランのはツナサラダだよ♪これなら食べれたよね!」
小さい頃から甘いものが苦手だったアスランは、クレープがあまり好きではなかった。しかし、それを知ったお店のおばさんが、甘くないクレープをメニューに加えてくれたのだ。
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