【MaiN WorlD】
□PYS-Side Story
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「今度は逃げるのかよ…死んで終わりにさせたいのかよ!それがキレイゴトだって、分かんないのかっ!?」
シンは心の底からカガリを睨み付けた。こいつらお偉い方はみんなそうだ、死ねば全てが済むと思ってる。多くの犠牲で成り立っている命を平気で捨てる。それを誠意と履き違える馬鹿がいるから、憎しみが止まらないのに。シンはいっその事絞め殺してやろうかと思った、その時。
「死ぬつもりも、殺されるつもりも全くない。私はそれを愚かだとは思わない…」
不意に言われた言葉にシンは意表を突かれる。カガリは続けた。
「殺したから殺されて、殺されたから殺して。それじゃ平和になんかならないだろ?シンは…この言葉もキレイゴトだと思うか?」
何処かで聞いた言葉だった。あれは確か…。
「アスランが言ってた言葉…」
シンはあの時の、アスランの言葉を忘れないでいた。
(あれはアスハが言った言葉だったのか…)
「アスランが…?そうか。あいつ、ちゃんと聞いていたのか。キラを討って自暴自棄になってたのに」
一瞬思考が全て停止する。アスランがキラを討った?そんな事が−?
「は…?!あの人がそんなっ!?」
「あ…………」
カガリがしまったという顔をする。しかし、シンをごまかしてしまうことが出来なかった。
「………敵だったから。あいつはザフト、キラは…地球軍だったから」
苦々しい顔のカガリ。それが、その話の信憑性を物語っていた。
「地球軍…?あの人はコーディネイターなんだろ!?」
次から次へと驚愕の事実ばかり聞かされ、シンは半パニック状態に陥った。そして思い出す。あの時…キラの事を初めて聞いたとき、アスランが言うのを躊躇い結局言わなかった事。それがこれではないか、と。
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