【MaiN WorlD】

□PYS-Side Story
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「シ…ッシン!こっこけっこけ!」

相変わらず引っ張られているカガリは、バランスを保つので手一杯になっていた。こけてしまいそうなのを精一杯伝えようとするが、最後まで言葉にならない。

「一国の代表が鶏の真似かよ、マジ最悪」

シンは悪態をつくと、ぱっと手を離した。急な出来事でカガリは前のめりになってしまい、シンに倒れかかった。こちらも急な事でシンも対応し切れず、一緒に倒れる。

ドンッ

倒れる音が反響する。

「いってぇ…」

「うぅ、すまない…。大丈夫か?」

カガリはいち早く立ち上がり、シンに手を差し延べた。しかしシンはそれを無視して立ち上がる。カガリはばつの悪そうな顔をするが、あまり気にせずに辺りを見回した。

「此処は…何処だ?」

いつの間にか、中世の遺跡のような造りをした建物の中に入っていたようだ。至る所が崩れ落ち、焼けるような夕日の光りが漏れ込んでいる。とても神秘的な空間が広がっていた。

「なんか…教会みたいだな」

そう、そこはカガリがユウナと結婚式を上げそうになったあの教会に屋根を付けたような感じだった。

「なんでお前なんかとこんなとこに来なきゃ何ないんだよ」

「おっ、お前が此処に連れて来たんだろ!?」

確かにそうだが、シンは無視して奥ヘ進む。カガリと会話する気は更々無いようだ。

「ちょっと待てよっ」

慌ててシンを追い掛けるカガリ。それでもシンは歩みを止めない。


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