短いお話
□月と、闇と、血と、涙と…
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月明かり。
暗闇。
その中の、血溜まり。
『何…でっ!!!!』
叩き付けるように、叫んだ貴方。
『何で…っ撃たれてんだよ、お前はっ!!??』
「だって…さ。」
「当たっ…ちゃったもんは、さ。しょーがないじゃん?…ゴフッ」
『いいから!わかったから、もう…喋んなよっ!!』
涙目で、そう懇願する。
(…やめてよ。)
(そんな顔されちゃ、眠れないじゃない)
(最後に見た貴方の姿がそんななのは、イヤよ?)
「ねぇ、隼‥人っゲホッ……笑って?」
『はぁっ!?何言って…っ』
だから。
「笑…って、頂戴。…最後なんだから、それくらい、イイで…しょ…?っっ!!」
そう言って、また口から血がこぼれる。
(これは相当深いところまでイってるな…。)
隼人の腕の中で、そんなことを考える。
(私…バカだわ。最後だってのに、何暢気に考え事なんてしてるんだか。)
そんなことを思っていたら、頬に雫が降ってきた。
『おま…最後って、何だよ?』
「…??」
『テメーはっ…こんなところで、死ぬようなやつじゃねーだろうがっ!!』
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