不器用な君へ
□新しい生活
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4月、桜が舞い散る今日は入学式!!
新しい制服を着るのは、気持ちもキチっとした感じになって嬉しくなる。
春休み、合格結果を学校に報告した日は
かっちゃんとデクにも会えた。
二人とも、雄英高校のヒーロー科に合格したのだ。
『かっちゃんとデクも合格したんだね、おめでとう!!』
「あ、ありがとう!!硝華ちゃんも、おめでとう!」
「俺は、史上初!唯一の雄英進学者になる予定だったんだァ!!!
なに、てめぇらまで受かってんだ…他の学校に行けっていっただろ?」
かっちゃんは、私とデクの胸元を掴み怒る。
いつもなら、デクは怖がって泣いていたけれど今日は違った。
「い…っ、言って、貰たんだ!!
"君はヒーローになれる"って…
かっちゃん…‼‼‼
"勝ち取った"んだって・・・・だ、だから…ぼくは、行くんだ!!!」
かっちゃんの目を見て言う姿はあの、怖がって震えていたデクとは違った。
その様子にかっちゃんも、驚いていた。
『かっちゃん…前にも言ったけど
かっちゃんに言われて諦めるほど、私たちは簡単じゃないよ?
雄英のヒーロー科で頑張るって決めたの。
だから、一緒に頑張ろうよ?』
胸元を掴んでいる手を握り、かっちゃんの目を見て言う。
かっちゃんは、何も言わず離してくれた。
「…俺の邪魔はするんじゃねぇぞ」
そう言って、かっちゃんはどこか行ってしまった。