鳳長太郎(腐)

□俺なんか
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「はぁ、はぁ…」
「どうした、長太郎?」

明日は日本代表の試合がある。だからコーチ陣から応援団も早めに就寝するよう言われていた。しかしベッドの一階にいる長太郎が寝付く気配がない。

このままじゃ俺も寝られないから、とりあえず階段を降りて長太郎の様子を見に行った。

「長太郎?」
カーテンを開くと長太郎がごろりと俺に背を向けた。
「どうした?体調でも悪いのか?」
「…ないでください」
「え?」
「来ないでください、宍戸さん…」
「そんなこと言われても、俺だって眠れねぇんだよ。遠慮すんな、言ってみろよ」
「…」

のそのそと身体を起こした長太郎がベッドの縁に腰掛けた。
なんとなく俺も横に腰掛ける。

「ほら、言ってみろよ」
長太郎は恥ずかしそうに俯いているだけで、何も言い出さない。
「…何言おうと怒らねえよ、な?俺たちパートナーだろ」
「宍戸さん…」
顔を上げて俺を見つめる長太郎の目は充血していて涙が浮かんでいた。
「…長太郎?」
「…はぁ」
長太郎は吐息を漏らしたかと思うと思い切り俺を抱きしめてそのままベッドに押し倒した。
「はぁ、はぁ、すみません俺…」
泣きながら全身を俺に擦り付けてくる。
「何してんだ、長太郎!」
慌てて突き飛ばそうとするが、抱きしめる力が強すぎて逃れられない。
「待てって!離れろ!」
「宍戸さん、宍戸さんごめんなさい…」
長太郎は泣きながら自分の股間を俺の股間に擦り付け始めた。
スウェットの生地越しでも長太郎がギンギンに勃っているのが分かる。
「はぁ、はぁ、宍戸さんごめんなさい」
あまりの勢いに俺も感じ始めて、余裕がなくなってくる。
「ふぅ、長太郎だめだ、離れろ」
「宍戸さん、ごめんなさい、俺、俺…」
長太郎が腰を振るスピードが上がる。そろそろ絶頂か。察した俺は一瞬のスキを付いてごろりと体を傾け右に逃れた。
「いいから落ち着けよ、何があったんだよ」

突然の出来事に驚いて、長太郎は我に返ったようだ。
「すみません、宍戸さん俺…」
顔を真っ赤にしたまま申し訳なさそうに、ベッドの上で長太郎は正座していた。ベッドにぱらぱらと涙が落ちる。
「男なら泣くな、何があったか説明しろよ」
背中を擦ってやると、長太郎の呼吸はだんだん落ち着ついていった。

「わかりません、俺夕飯食べた後からどうしても身体が言うこときかなくなっちゃって、それで」
長太郎は本気で狼狽えている。それ以前に長太郎は嘘をつくようなやつじゃない。

「誰かが媚薬でも盛ったのか?妙なことしやがるぜ、全く」
乾汁の例があるから、このホテルで何が起こってもそうそうおかしくない。
「ま、俺も男だから分かるぜ」
そう言って肩を叩いてやる。
「…宍戸さん」
また長太郎は泣きそうな顔で俺を見つめる。その顔をされると、俺はどうしようもなく助けてやりたくなる。

「心配すんな、俺が治してやるよ」
「…?宍戸さん?」
「ズボン脱げよ」
「ひっ!そんなこと出来ません」
「何恥ずかしがってんだ、さっきはあんなに襲ってきたくせに」
「だめです!宍戸さん!」
「何言ってんだ、どっちにせよそのままじゃキツイだろ」
「っ…、分かりました。じゃあちょっとだけ…」

渋々長太郎はズボンを脱いだ。
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