ファイアーエムブレム
□ある日突然、世界が変わった
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それは、突然起こった。
「ん…ここは…?」
先ほどまで自分は学校にいたはず。
しかし目が覚めたら見知らぬ場所、しかも何故か森の中で。
時間的にはまだ朝のようで日は高い。
木々の隙間から差す光がなんとも美しく幻想的である。
しばらく自分の置かれた状況に頭がついて来ず呆けていたが、ハッとしてとりあえず周りを探索してみることにした。
民家を探さねば道すら聞けない。
「たしか、川を探して下っていけば、仮にここが山なら麓に着くはず…」
頭の中はパニックではあったが、焦っても良いことは何もないと分かっているので、一度深呼吸をして頭をクールダウンさせる。
「…よし!とりあえず民家を探そう」
そう思って改めて周りを見渡す。
どこをみても木、木、木。
開けたところはあまりない。
陽が高く陽光がさしているとはいえ、森の中は少し薄暗い。
と言うことは森の奥ということではないが中ほどというところだろう。
どれだけ下っても一向に人の気配はおろか、獣などの気配もしない。
探し続けていくうちにどんどん陽は落ち、気付けば月明かりしか頼りにならないほど暗くなってしまった。
頭で情報を整理していると、どこからか声が聞こえてきた。
誰かが自分を探しにきたのだろうかとも思ったが、聞こえてくる声は何処となく怒気を孕んでいる。
よくよく見ると、少し離れたところに松明か何かの明かりが見える。
人がいる証だろう。
しかし、突然夜の山から降りてきた見ず知らずの女は不信感しか抱かれないだろうとは容易に想像がつく。
しかし背に腹は変えられない為、恐る恐る声のする方へ向かう。
はっきりと声が聞こえるくらいまで近付いて、木陰からそっと様子を伺うことにした。
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