一般人とアイドル 番外編

□臭い
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ある日のこと。


俺はいつものように楽屋に弁当を持っていったり事務仕事したりしていた。


『ちょっと休憩』


仕事もとりあえずひと段落終え、椅子に座って小休憩をとる。


すると、


ピトッ
スンスン...


「名無意外とええ匂いやなぁ」


『急に何やってるんすか七瀬さん』


ほんとに何やってるんですか。
七瀬さんが俺の背中にピトッとくっついてきてあろう事か臭いまで嗅ぎ出した。


『ちょっと汗かいたんで臭いですよ』

「そう?汗の匂いもななはええ匂いやと思うけどなぁ。いい感じに背中も広くて落ち着くし。お気に入りかも」


いや、かもって言われましても...
この状況はギルティなんだよな。
特にアイツらに見られると...


「なにやってんの?」


ほら来た。
来て欲しくない時に限ってしっかり来た。

しかも今日はなんかおとも連れてるし。


『や、やぁ美波。と、与田ちゃん』

「お疲れ様です」


余談だがみぃちゃんのことは仕事中は美波って呼ぶようにしてる。
からかわれたくないって言うみぃちゃんからの希望で。


「やぁじゃないんですけど。何してくれてんの」

『いや、それはですね...』

「名無ええ匂いやなぁおもて。しかも落ち着くし嗅いでるだけやで」


俺が説明しようとすると背中越しに七瀬さんが2人に説明してくれた。


「あー。香水とかにもアクセントとして使ってるって言いますもんね」

『え?それ俺に臭いって言ってる?』

「え?臭くないとでも思ってるの?」

『...ってあれ?七瀬さん?』


なんかさっきより七瀬さんの体重がかかってるなと思ったら七瀬さん俺の背中で寝ちゃったよ。


「寝てるんだから静かにしなさいよ!」

『美波こそ静かにしろよ』


とりあえず七瀬さんはこのまま寝かせる方針で。


『そ言えば与田ちゃん何か用事あった?』

「ほんとは七瀬さんに用事があったんですけど...寝てしまったのでまた今度にします」

『そう?じゃあね』

「あ、後名無しさん私も臭くないと思いますよ」


そう言って与田ちゃんは出ていってしまった。


「あんな子に気を遣わせるとか」

『分かってるよそんなことくらい。てかなんか用あったんじゃないの?』

「は?いや、用がないと来たら行けないわけ?」

『なんか手伝えることあるなら手伝おうかなって思っただけ』


そう言うと、みぃちゃんは少し頬を赤くして


「あっそ。じゃあ私行くから。誰も見てないからって襲ったりしない事だね」


そう言って帰っていってしまった。

てさっきの結局臭いの?臭くないの?


というかそれ以前に七瀬さんをなんとかしてくれ。


ガチャッ


『名無くんいる?何してんの!?』


なんかやばい予感がする。


まぁこの続きは次の機会に。




『麻衣さん!1回話を聞いて?』

「問答無用!」



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