virtual or real

□第10話 勉強
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『ナナ!そっちに1匹行ったぞ!』

「ナナに任せとき!」


あれから少したち、今夜も相変わらず俺達はドラゴンファンタジーで遊んでいる。いつもと違うところといえば...

「2人ともどいてください!ignis citius ganzes strenuus!」


新しい仲間、まいやんが増えたことだ。ナナとも仲良くなったこともあり彼女も家で一緒にプレイできるようになった。
まいやんは職業僧侶であったのだが、俺とナナの徹底的なバックアップにより賢者へと進化。基本的な魔法はほとんど全て使えるようになった。
剣士2人というパーティーにはとても重宝される回復、遠距離型のプレイヤーであり頼れる存在になっていた。




『よし、今日はこれくらいにしておこうかな』

「そうやね」

「疲れたー。それじゃあまた明日ね」

『おう』


コンコンコン
俺がゲームからログアウトしたのとほぼ同時に俺の部屋をノックする音が聞こえた。


「お兄ちゃんまだ起きてる...よね」

『ん?何かあった?』


こんな時間に祐希が俺の部屋を訪れるのは稀にしかない。
よっぽどの休養があるときと


「わからないところがあるけん教えて?」


勉強を教えてほしい時だ。
方言+上目遣いでお願いされて断れる兄がどこにいるだろうか。いやいない。

祐希はあざとさが12上がった。

名無は特防が30下がった。
名無は祐希に精神支配された。

定期試験が近くなると祐希は毎回のようにわからないところを俺に聞きに来る。
俺は日ごろからコツコツ勉強するタイプなので来られても特に問題はない。
...なんか俺できるやつみたいな感じでてる。


それからしばらくたち、休憩中。


「今日ね飛鳥ちゃんとね...」


休憩中、祐希と雑談をしている。
祐希は基本学校では飛鳥ちゃんと一緒にいるらしく普段する話も基本飛鳥ちゃんが出てくる。


「そういえば最近お兄ちゃんいつも楽しそうだけど何かあったと?」


話は切り替わり今度は俺が話す番になった。
俺はナナとリアルで知り合いになったこと、麻衣がゲームを始めたことを祐希に伝えた。


「いいなぁ、私もお話してみたいなぁ」


祐希は俺と同じ学校の一つ下の学年なのだが緊張するからと言って1回も俺のクラスに来たことがない。
普段登下校も飛鳥ちゃんとしているから峠港の時間帯も別。
そのため俺と祐希が兄妹であることを知っているのは和也位である。


『今度機会があったら紹介するよ』

「え...大丈夫かな?」

『大丈夫だって。二人ともいいやつだから』


こうして俺たちは再び勉強を始めた。


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