長編

□ちょっとの勇気
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しばらくして彼が入ってきた。
かずみんは気を使ってか部屋から出ていってくれた。


話そうと思っていたけどいざ目の前にするとなかなか話しかけ出せない。


すると痺れを切らしたのか向こうから話しかけてきた。


何で学校に来ていないのか


彼に投げかけられたこの質問にスラッと答えられるわけが無い。
しかも本人を目の前にして言えるのなら私はこんな生活を送っていない。


私から答えが返ってこないと悟った彼はまた違う話をし始めた。



衝撃的だった。
彼はまだ誰とも付き合ったことがないらしく女子の部屋に来るのはこれが初めてらしい。
今回も行くつもりはなかったらしくかずみんに半ば強引に誘われなければ来なかったらしい。
ありがとうかずみん。


じゃあこの前見た彼女は一体誰なのか。
緊張よりも好奇心が勝って私は彼に尋ねた。




知らなかった。
彼にお姉さんがいたなんて。
なんでもお姉さんは大学生でひとり暮らししているらしく滅多に帰ってこないらしい。
そしてお姉さんはブラコンらしく、いつも引っ付いてきてめんどくさいらしいと。


それを聞いた時、私は自然と涙が出てきた。

私の勘違いで自分で自分を苦しめていたのだと気づいた。
不登校になる必要もなかった。

そして何よりあれがそういうことじゃないとわきって安心していたのだった。



突然泣き出す私を見て彼はオドオドしていた。


その姿を見て微笑ましく思い、やっぱり好きなんだなと心から実感した。


そして...



私は意を決して彼に告白をした。


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