鬼滅の刃

□阿諛追従
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小説版鬼滅の刃「方羽の蝶」より
まだ、小説を読んでいない人はネタバレになりますので、ブラウザバックして下さいね〜。































お館様からの無理難題が下された。
と、ひ〜さんからの言葉に頭を撚る。
あのお優しいお館様がKAWAII我が子に無理難題言うかい!
あ、待って、私限定で無理難題しやる人やったとなった。

煉獄さんの補佐役になって数カ月、継子であった甘露寺さんは別の呼吸を導き出し煉獄隊から離れて恋柱となった。甘露寺さんが離れるのは寂しくなるけど、こりゃお祝いしないとね!と、煉獄隊と千寿郎君とワチャワチャしていた矢先の話である。何故か煉獄さんの鎹鴉から呼び出されて、産屋敷邸の庭先に着いた。ぎゆたん以外の柱が全員集合していて、あ?私補佐役なんですけど?と、上司である煉獄さんと一癖も二癖もある柱のまとめ役であるひ〜さんに確認をとったが、今回は異例であると言われた。嫌な予感しかねぇわ、これ、私巻き込まれたな、となる。
新たに、柱となった少年時透無一郎…霞柱との初めましてもここであった。ぼんやりと空を眺める少年に、何かそちらにあるのかと同じ様に空を仰ぐ。うむ、エエお天気やなぁ、出てる太陽はまるで煉獄さんのようやで〜…とこれから起こるであろう柱同士のワチャワチャを想像しながら現実逃避しとく。

柱合会議でもないのに何故呼ばれたと、荒ぶる一部の柱を横目にひ〜さんが、


「私用で皆を集めた訳ではない。お館様のご意思だ。」


との一言。と言うか、お館様の名前を出した時点で、柱達は飼いならされたワンコの如く静かになる。
しかし、何故呼び出されたのか、冨岡が居ないのは協調性のないあの野郎をクビにでもするのかと、話が行き交うが…オイオイ、私からすれば炎と恋、蟲除く皆が皆さん協調性ないやんか、個性の集まりたぜ?となる中、更にひ〜さんは爆弾を落とす。

どうも、お館様が私の弟弟子であるぎゆたんの笑った顔を見たことねぇなぁ、となり、柱の中の最年長であり最強と謳われているひ〜さん事、悲鳴嶋さんに白羽の矢が立ったのである。

「「「「「「冨岡義勇を笑わせろ??!」」」」」」」


あ〜…、なるほど。
だからして、ひ〜さんはぎゆたんの姉弟子である私も呼び出したのかと納得した。
あの男を古くから知る人物として選ばれたのだろう。
色々あってアイツの笑顔何ぞ…最終試練を終えてから見たことないわボケ!知っとるか?私がどんなにボケてもなぁ!ツッコミどころか返事もせぇへんのや!最凶のボケ殺しやぞ!!何度涙流した事か!!あんとき繰り出されたボケの数々、死んでいったボケの数々…!!
私が血の涙を流す中、柱は柱達で大変困惑していたようで、特に風と蛇の二人は何故冨岡何かにと憤慨した様子であったらしいが、そこは魔法の言葉、『おっ館様の〜言う事にゃ〜♪』(森の●さん風に)で、おとなしくなったと煉獄さんと甘露寺さんから後々聞いた。
産屋敷邸の庭先にて。柱が揃えば鬼も裸足で逃げ出すとなる。コミュ症のぎゆたんもこら逃げ出すわと思った。現に柱達に囲まれた私は、一体何処に視線をやればいいのやら…とカメレオンよろしく視線をグルグルとさせていた。
ふ、複眼…いや、違うた、福眼や!!!
口が悪い者も居るが顔の良い柱達に囲まれて、あ、私明日死ぬんかな?となる。でも、一番は煉獄さんやからして、ニコニコと笑う太陽みたいな彼の方へと寄る。あっ、待て、甘露寺さんやしのぶちゃんも捨て難い、でも、やっぱり煉獄さぁん!です!!となって、あの鍛え抜かれたお胸に飛び込もうとしたら、音柱のう〜さんに頭を引っ掴まれてしまう。


「ちょい待ちぃ、何コレ?何コレ?何故に止められた??あと一歩でまゆまゆ出来たんに!!!」
「まゆまゆが何か知らんが後にしろ。お館様の命が先だろが。確か、お前関西出身だよな?」
「はぁ?それが?つーか離しやがれ下さい〜、音柱様。まゆまゆが眼前にあるってのに待てはなしじゃろがい!!」
「関西と言えば…芸人が多いだろ?何でも拾って笑いにかえるとか?」
「ほんま止めてその偏見!!関西人誰もがオモロイとか思わんといてや!!私は京の都の雅な街の出やぞ!!いや、皆止めてその期待するよな目、止めてホンマに。私、ゴミやねん。笑わすなんぞでけへんゴミやねんから。」
「あの糞野郎を笑わせろォ。ほれ、煉獄が興味津々とした視線をお前に送ってるぞォ。」
「そうだ、そうだ。お前がやれば話は早い。アイツの姉弟子なのだろう。笑わせろ。でなければ鏑丸の餌にしてくれる。あ、待て。これが餌となれば鏑丸が腹を壊すな、やっぱり止めた。だからして笑わせろ。」
「だからしての意味が分からんからして…。いや、鏑丸君、何時も結構な具合で私に噛み付いとるんですが??怖い、怖いわ!この同年代組怖い!!煉獄さぁん助けて!!」
「うむ!期待してるぞ!!!」
「…この世はとても残酷過ぎて笑えるわ〜。ははは…、私何か前世で悪い行いでもしたんやろか?なぁ、甘露寺さん…おっぱい揉ませて。そしたら私頑張れる気が…するっ?!」


おっふ!!
鏑丸君からの絶妙なカウンターを喰らいました…!
そう言う所やぞ、蛇柱!!
そしてそれを見てゲラゲラ笑うな音柱!!
あん!
萎れる私の頭を撫でてくれる煉獄さんの優しさよ…尊い!!


取り敢えず、煉獄さんの期待に応える為にも、ぎゆたんを笑わすのに仕込まんと!


「よし!分かった!ちょい待ちや!関西代表としてぎゆたん笑わせたる!煉獄さんの名にかけて!!!」


(引け目無しで、彼女普段から面白いんですけどねぇ。冨岡さんの笑いの沸点が分からな過ぎますよ。)
((((((本当にそれな。))))))

名前が仕込んでいる間、柱同士の腕相撲大会が行われていたらしいが…、慌てて戻った彼女も急遽参加した様子は後日また語ろう。



















「ぎゆたん、見てみ?かわええやろ?ほれ、これ、チャウチャウちゃうんちゃうん?ん?ほれ、チャウチャウちゃうんちゃうん?」
「…いや、それ、チャウチャウ所か犬でも、ない…な。猫だ…。(何処ぞかで頭を打ったか?いや、これが普通か?)」
「………、ん。分かっとる、分かっとるよ。」
「………。」
「煉獄家のお向かいさんの太郎(本物のチャウチャウ)が居らへんかってん…!茶トラの麦子しか居らへんかってん!!うっ…ふぅ…。」
「…!?(何故泣く!)」
「た、太郎…何故居らんのや〜…、あんなに毎日私の足元で腰振っとたやんか!!毛だるまになる位に!!浮気された妻の気持ちってこんなか!!…、あ、そうや太郎去勢しよ。そうすれば、私の所に戻って来やるかなぁ?どう思う?」
「ちょ…、そ、…こ、怖い。」
「怖いってなんっ…でやねん!!」
 

取り敢えず、チャウチャウではないが麦子、茶トラの雌猫をぎゆたんの顔面目掛けて…、放り…投げませんよ!!猫尊いねんから!!
頑張ったなと肩を叩いてくれた煉獄さんとひ〜さんと一緒に猫吸いした後に解放しました(笑)
もふもふですね〜煉獄さぁん!
うむ!毛艶が良いな!
南無南無猫南無南無…。尊い。


「何だコレェ…???」
「チャウチャウちゃうんちゃう?言いたかっただけなのではないのか?」
「俺はめちゃくそ派手に笑わせてもらったわ!」




そこから…、
時透少年はどうでもいいと早々に戦線から離脱し、甘露寺さんのくすぐりや、上司でもある煉獄さんも隠の前田氏から奪った眼鏡でぎゆたんを笑わせようと奮起するが空振り、(お前…義勇よ其処は笑えよ!!煉獄さんが頑張っとんねん!!)、只々殺気だけが膨れ上がる事態となった。お前は冷血動物か!!二人が頑張ってるのに引くとか何様だと主に私と蛇柱が荒れる結果となる。(炎恋セコムのお二人)
でも、煉獄さんの眼鏡姿…、眼鏡よ、眼鏡!
それ!
一寸で良いから、そのお目々に掛けてくださいと懇願して、眼鏡男子…煉獄さんを目の当たりにして、私は無事死んだのである。尊いが過ぎた。
もう死んでも良い…!!


その裏で、しのぶん事、蟲柱のしのぶちゃんが、風柱に義勇の好物である鮭大根を食べた時にニヨリとした事があるとコッソリ伝え(え?何でそんな個人的な情報知っとんのしのぶちゃん?え?ぎゆたんと仲良しなんか?)、ご飯でもお誘いしたら?との助言をしたらしい。
嫌嫌ながらも鮭大根食べにいくべ?と誘った結果、(さっき食べたから)行かないと言葉足らずな義勇の一言で、風柱は溜まりに溜まったストレスが此処で弾けるのである。彼の獣の様な怒号は産屋敷の外まで響いたと聞く。




(糞喰らえゴラァアアアァァ!!!!テメェもだァ!!何幸せそうにくたばってんだ名前死ねッッ!!!!!)
(もう、ぎゆたんに振られたからってこっちに当たんないで下さいや〜。私は煉獄さんの眼鏡姿見れただけで幸せなんやから〜。ムフフフ、煉獄さんの眼鏡姿、とても良い。あわよくば、その眼鏡になりたい…。)
(え?お前、冨岡に振られたの??ぷっ…!)
(オイ音柱ァ、テメェ…そんなに死にてぇのかぁ?!)
(いやいや、ほら…ふっふふ、ほら、俺嫁が3人居るから…っ!死ねないんだわ。にしても不死川…、)
(そうそう、かわええ嫁おるねんこの人、だからさねみん落ち着ぃ。今回はマジで、)
((乙!!))





何故か、この件の原因であるぎゆたんではなくて、私とう〜さんがさねみんから鬼の様な形相で追いかけられた。解せぬ。


 



(仲良しだな!!)
(仲良しって何だっけ?!)







 


大正コソコソ話
この後、煉獄さんとヒロインちゃん、前田氏に眼鏡を返しにいくんですが、煉獄さんがかけたその眼鏡、私に下さい!!と土下座したとかいないとか。
で、前田氏には「分かります、そのお気持ちわかりますよ…。」と肩をポムチされて、今後も隊服改造の件…ご協力下さいねと、そっと眼鏡を手渡されて勿論!と凄く良い笑顔をしたらしい。
後日、前田氏には国産の上等な眼鏡が贈られたとか。


ワニ先生の描く煉獄さんの、眼鏡、眼鏡が可愛いすぎる件。死ねた。
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