鬼滅の刃

□不惜身命
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どうも、新年早々羽子板大会で恥を晒しました。
はい、名字さんです、こんばんは。
一回戦の相手であったう〜さんは、去り際、「お前等、もう結婚したら良いんじゃね?」と爆弾発言を落としより、そこからお館様にも「何でこの二人付き合ってないの?」と首を傾がれ、同期の田村君には何故か泣かれた。(いや、村田だよ!!!)

あれから根掘り葉掘り、煉獄さんの継子である甘露寺ちゃんから迫られて、間近に迫った豊満な乳に、「そのけしからん乳を百回揉ませてくれたら(何か知らんけど)教えてあげますよ。」と返したら、また蛇の大群が現れて収集つかなくなり羽子板大会は幕を下げたのである。もうこれ新年早々珍しく全員集合〜した産屋敷家と柱の無駄遣いになるんとちゃうん?


それからと言うもの、何となくではあるが煉獄さんの様子が可笑しい。やたら優しい。訓練中は鬼やけどなっ!
いやね、私も馬鹿じゃない。20歳過ぎた女であるからして、色恋沙汰にも多少は覚えがある。いやね、寄ってくる男共はこの私の気質に気付いた途端に逃げ出したけども。
そう、こうならはったのも思い当たる節はある訳で、
あの羽子板大会で勝ちを得た時にだ、頭ナデナデしとくれやす!と、煉獄さんの鍛え上げられた…そらもうええお胸に飛び込んださ。ふんす、ふんす!と匂いも嗅いで、お日様みたいですおおきにいい夢見られるわ!とすり寄ったら…、
あの大きな瞳に迫られて、撫でるのは頭だけで良いのかと、瞳の奥がギラギラ光っていて、アレは年下のそれではない。雄や、雄!!!そんでもってずくりと、腰が疼いてしまった私よ。静まれ、静まれえぇえあ!!!!

ああああああ嗚呼ああ!!!
アカン!!!!何て軽率な行動をしたんだあの時の私!!

煉獄さんは私の2歳下、18歳って男女とのあれこれに多感なお時期やんか!それなのに、いや、それなのにやない。考えてみろ、性癖ブチかましてくる女に何を感じると?え?煉獄さん、私と同じく独特の癖をお持ちで?と思いながら、突き刺さってくる視線に泣きたくなった。めちゃくそ鬼殺隊士の皆さん揃ってるやん、ほぼ、皆に私の醜態さらしてしまっとるやん!!と、なってからの今である。(柱補佐役任命の際の奇行は既に忘れているヒロイン)(そしてそんな奇行を目の当たりにしていた皆さんは今回のヒロインの奇行にはそこまで驚く様子もなかったそうな)(慣れって怖いね)


正月も明けて、そろそろしめ縄さんがお役目を終えてどんど焼きに持っていく予定である。それの前に七草粥だ。
目に入れても痛くない千寿郎君に手を引かれながら、煉獄家が持つ山に七草をとりに来ているなう。そう眼が死んでるわたくし名字は七草とは?と言う勢いでひたすら手元にあった雑草を引き抜くという奇行に走り、千寿郎君が泣きつくまで(無駄ではないよ、お山のお掃除しとってん)その作業は続いた。


屋敷に戻って夕餉の支度をする。
草むしりおもろかったね〜と、死んだ眼で千寿郎君と厨に立つ。
ホンマ、千寿郎君や甘露寺ちゃん、その他モブ隊士(←失礼)が居てくれて良かった!
じゃなかったら、七草どころじゃねーよ、雑草入った謎の粥を煉獄さんに出す所やったぞ。きっと美味い、美味い言ってくれるんやろうけど、それは流石にアカンと踏ん張る。踏ん張りながら、米を研ぎすぎてやんわりと千寿郎君に“めっ”されて、また萌死ねた。
どうしたいんだ、私をどうしたいんだ煉獄兄弟!

悩みに悩んでる中での煉獄兄弟からの容赦ない萌の攻撃。最終的に厨で倒れ臥して意識を飛ばす前、“尊い”と地に文字を遺すと言う奇行をやってのける名字。何とも穏やかな顔をして意識を無くすものだから、煉獄千寿郎は“私は何も見なかった”、と、そぉっと視線を彼女から鍋で炊かれている粥へと視線を戻すのである。とりあえず兄上を呼ぼうと、フツフツと美味しそうに炊ける粥の表面を見つめる幼子の目は虚無を浮かべていた。















甘露寺さん、その乳も太腿もおしりも素敵やね!
ナデナデしてもええか?
え?
ナデナデ?
アカン、ナデナデは私の中で沸騰ワードや!
煉獄さん、ナデナデ、煉獄さんナデナデ…体の隅々まで、ナデナデ…。
彼とのいけない妄想に思わず、ほぅと、声が出る、

あの暖かな大きな手で、捕まれて、ほぐされて…、
奥まできてしまったら、私は…、と、なってハッと現実に戻る。

ちょ、ちょちょち〜ょ!!
今のヤバかった、妄想で飯イけた。いや、最早飯要らん位にイけた…!!お日様の匂いの中に雄の匂いも混ざっていて…。
彼の綺麗で大きな赤色の瞳に反射して見えた己の痴態を見て興奮するって私は実は被虐性欲者やったんかと顔を赤くする。

じくりと、蝕むような熱は引いてくれない。
キュンとした下腹よ、お前は素直過ぎると、視線を落とす。今あの人を受け入れてしまったら即堕ちるとも思ったのだ。








ふ、と上がる意識。
ああ、今のは夢か。夢だとしても何とも生々しい、と寝ぼけ眼で嘲笑う。
何とも生々しい、も一回言う、生々しい。
夢の中で気をやってしまった私は大変な変態何やろうなと再確認して、あ、やべ、下半身やべっ、と感じて急いで起きて厠へ行こうと惚けた頭に手をやる。


「起きたか。良く寝ていたな。君は夢の中でも百面相をしているのだな。見ていて飽きない。ほら、まだ眠そうだ。もう一眠りしなさい。」


と、聞きなれた男の声が落ちてきて、頭にやった己の手の上にあたたかな何かが重なってきた。それに横になっていた下の頬の方、暖かい。暖かい何かに挟まれてウトウトしだすが、次に落ちてきた声に度肝を抜かれるのだ。


「膝枕なぞ、幼い頃弟の千寿郎にやって以来だ。」


ひっ…!?
私の寿命半分削れた!!!!
ひ、ひっ、ひっ、ふぅ〜…やないわ!!
膝っ、膝枕とな!!?
では、私が頬に先程感じた温もりって、
れれれっ煉獄さぁんのお膝かい!!
なんでやねん!!
なんでこうならはった?!
いやまて、今何て言うた…!
千寿郎君を膝枕してる煉獄さんンンン?!
それ是非とも見てみたい!
目に焼き付けたい!!!


「はは、どうしてこうなったと言う顔だな。先刻、千寿郎から君が倒れたと聞いて駆けつけた。頭を打ち付けていた場合、動かさない方が良いと昔胡蝶に聞いた。しかし、このままでは冷たい地べたで身体が冷えると思ってな。」


うん、煉獄さん!
説明ありがとう!を、通り過ぎて、私に只々羞恥心を積もらせるばかりやから止めて〜!!となる。
その優しさが辛い!!
ずくずくになった下半身だけは知られてはならないよ私。厠でひっそりと処理しようとしていたのに、己の手ごと頭を撫でる手は逃さないと言わんばかりに往復する。
つつ、と指先、指の間、手の甲、髪の間に入り込む指先に思わず反応してしまう。
ひぅ、と何とも情けない声が漏れてしまい、直ぐに空いてる手でこれ以上声が漏れ出ないよう押さえる。この、この煉獄さんの手付き…、ヤバい。
まるで夢の続きの様で、私は身体が震えるのを我慢する。


「存外、君は俺が思う以上に愛くるしいのだな。自分の言動で、こんなにも耳も頬も赤く染まるとは。ははは、悪くない。ほら、眠いのであろう?おやすみ。」
「…煉獄さんが素敵過ぎて眠れません。」
「!そうか、そうか。」


普段クソデカボイスの癖に…!
耳に入ってくる声は何処までも優しく色を含んでいて、おやすみとか煉獄さんは私を色んな意味で永久に眠らせるつもりなのかと思いながら、煉獄さんから与えられるもの全て享受しますよって!!と彼の膝にグリグリと額を擦りつけた。
(アンタ馬鹿やなぁ、それよか馬鹿な女のために冷たい地べたに膝つくなんて…。柱やぞ。)

こんな男だからして、惚れたのである。
一目惚れでもあるが、こうして補佐役となり、彼と触れ合って知ることも沢山あった。
補佐役なんぞに膝を貸すなどあるか、バカチンが!
私もそんな男に惚れてしまっているのだから大馬鹿者である。
















大正コソコソ話。



膝枕現場、継子と煉獄隊の皆さんに見られていました。細く開けた襖の隙間から、甘露寺さんは二人の仲つむまじい姿を見て大変キュンキュンしたそうな。


そして、煉獄さんは煉獄さんでヒロインに膝を頭でグリグリされて、立ってはいけない己のナニかが立ちそうになっていたそうな…。
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