鬼滅の刃

□克己復礼
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私の仕事は、炎柱の補佐役である。
そう、継子ではなく、補佐役だ。
まぁ自分使える呼吸は炎の呼吸ではなく水の呼吸ですもん。しかし、文章力をお館様に買われて
柱の補佐役しとります。

報告書などの文章を下貯め、お館様に提出するのがわたくしの主なお仕事であります。

どうも、煉獄さんも、継子である甘露寺さんもそれらの作業が不得意らしく、今回それらの補佐をして欲しいと抜擢されたのがわたくしなのです。
今日も今日とて…、
そう、柱のお仕事に常に付き添って、




鬼狩りじゃあああぁぁ!!!(涙)





そう、報告書はその現場をありのまま詳しく明文化するモノである。
そう私は秘書的なお仕事をするために来たはずなのだが、何故だがお二人と一緒に只今鬼討伐真っ最中である!
上司お二人から見聞きしたものを文章にすれば良いのだろうけど、このお二人…先日報告書で読んで知ったまま、私に伝えて満足げな表情を浮かべて去ろうとするのだから、おい、ちょい待てコラ、となったのが補佐役に就いてから5日後の事である。
確かに以前と比べ個人的な討伐任務は減って、煉獄家と甘露寺さんに癒やされてはいるが、それはないんでない?と、颯爽と部屋から出て行こうとする二人を引き止めた。
解りにくい?説明が下手くそ?
ああ、だったら君も来い!!
と、なっての討伐任務参加である!
え?なんでそうなるん煉獄さん?
え?何その笑顔まっぶしいなっ。
え?ちょ、待てよ!
か〜ら〜の、
仕事が増えたのよ!!
自分の分だけではなく、上司に付き合っての鬼狩り、その後報告書を整理して出さないといけなくなったのだ。鬼討伐してから眠い中、朝方いや昼間までそんなこんなで眠れない。
誰か癒やしをくれ、いや下さい。
煉獄家と甘露寺さんからも癒やしをたくさんもらってるが、足りない。
ほれ、見てみぃ、私の眼の下の隈さんがこんにちわし過ぎてヤバい事になっとるやろが!!!
ああ、でも煉獄さんも甘露寺さんもかわええ。
負の?いや死の?萌のループで、大分私は可笑しくなってると思ふ。
体も心もボロボロよ、でも萌の多量摂取でヘロヘロなんよ?分かる?
萌でお腹いっぱいなんに疲れで身体が悲鳴をあげとるんや!
おっぱいをくれよ。おっぱいを。
甘露寺さんでも、煉獄さんでも、愼寿郎さんでも、選ばんからさ、そんな選ぶなんて贅沢言わへんからおっぱいをくれよ〜…。
何杯乙でもええから、あの柔いまゆまゆ(いや、煉獄家の連中はまゆまゆではないであろうが)に包まれて匂いを吸い込んで死んだ様に寝たいんや。

ほれ、見ろ。
報告書に陳列する、達筆な“おっぱい”の文字を。
この報告書をお館様に出してもええんか!(先日出した補佐役初の報告書は赤ペン入れられた挙げ句に書き直しなはれやとお館様専用の鎹烏に突かれたのは記憶に新しい)
そんな悲しい未来、見たないねん!!
何か悲しくて私の性癖をお館様達に晒さなあかんねん!!
も〜、煉獄家と甘露寺は罪深い!!!!
もう勝手におっぱい、おっぱい、と書き進める手が憎らしい。何これ自動筆記?私凄ない?
あ、でもあん時の煉獄さんめちゃくそ格好良かったなぁ〜、甘露寺さんも、刀振るうときおっぱいぶるるんと震えて…良かった……!
って、私の煩悩、何処までも阿呆なんや!!
悲しくなるわ!
でもありがとう、萌を!!となる私の煩悩が憎らしい!










しくしく、
しくしく泣きながら、時に気持ち悪い笑い声を上げ、報告書を仕上げていくそんな彼女の後ろ姿を酒が無くなったと自室を出て通りすがりに見た煉獄愼寿郎は何とも言えない表情で後にするのだ。


(…ああ、アレは色んな意味で手遅れだな。胡蝶の屋敷では精神は診てやれんのか?)









大正コソコソ話
そんなこんなで、名字さんは特技の欄に自動筆記が追加されました。寝ながらも報告書を書けるようになって、睡眠時間が確保されたんだって。こんにちはし過ぎてた隈も引っ込んで、お肌も艷やかさを取り戻したんだよ、ヨカッタネ。
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