鬼滅の刃

□気炎万丈
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貴方との出会いは数年前だ。
何処を見ているの分からない瞳はキラキラしていて、紅くとも橙とも言えた。













そして今日この日、お館様に呼ばれて産屋敷の本邸へと足を運ぶ。
鬼殺隊に入り数年。
長いようで短い。
眼を閉じて開く。数年前とは違う己の掌の皮膚の厚さに、ああ、頑張ったんやな私と笑う。
そして、屋敷の庭の前に辿り着けば、お館様とその御内儀が傍に控えて居て、慌てて頭を下げた。


「頭を上げておくれ。君の顔が見えない。それでは寂しいじゃあないか。特に、君の瞳の色は特別だ。光があたる具合で色が変わる…。見せておくれ。」


もうホンマに人誑しだわ、この人…!!


ややあって、頭を上げれば、お館様と眼があって。


「ほうら、やっぱり。美しい。」
「そー言うお言葉はあまね様にでもどうぞ。」
「そうだね、今日もあまねは綺麗だね。」
「…私はついで、ですか?」 
「まさか…!」


憎まれ口を叩きつつも、美しいなんて言われてしまえばやっぱり照れてしまうのは人の性何だろうか?それとも、この人からの言葉だからだろうか?
しかし、年の差夫婦、姉さん女房、産屋敷輝哉からの言葉にすんとした表情を見せるあまねさんの可愛いさで、照れてたのも忘れたわ!となる。
きっと明日も可愛い夫婦のお姿が見れる!!と人知れず興奮するのだ。私は悪くない。悪いのはこの夫婦だ。
かわええ、かわええと表情を変えずに悶ていたら、咳払い一つ、お館様から昇格のお言葉を頂く。
この度、めでたいのかわからんけど、鬼討伐の数と日頃の行い?により、どこかの柱の方の補佐をと命じられた。
え?柱の補佐?え?継子やなくて?と首を傾ける。え?どこかって、どこよ?となりつつ、ほわほわ仲つむまじく笑う産屋敷夫婦に視線を寄越せば、「もうすぐ皆集まるだろうから、そこで言うよ。」とはぐらかされた。
うむ、かわええとまた私の中のナニかが立つのであった。



暫くして、屋敷に集まった柱達、達。
もう達達よ。
わっかいのに、その風格やいやな、やっべーぞっ!と言いたくなるわけですが。
中でも目立つ、金色に目がいった(後々、何で派手な俺に目がいかなかったのかと音柱殿に派手に怒られましたが)。
その金色がずいっと前に出て、


「お館様から聞いている!君が補佐となってくれる人物だな!!宜しく!!」


と、明朗快活、クッソデカイ声で告げられて、
えっ、と、
お館様様に確認の意味で視線を寄越せば、にこりと笑みだけを返された。


マジでか。
と、お館様から金色の方がへと視線を移せば、
ただ眩しかった…!
そう眩しかった…!!
たしか、この人は炎柱の…、
ん?んん?ちょいまて、、



髪の色も日の本で生まれた人間ではないのかな?と思ったが、目立つ金色と赤がこれまた瞳の色と相まって凄く美しかった。私ってばホンマにお馬鹿ちゃん!この美しさを皆さんに伝える語彙力がない私を呪えと言いたい。遠目で炎柱を見た事はあったが、こうも近くて見ると眩し過ぎて眼が潰れた。あばばばば、好き!


取り敢えず、


大好きですっ!!クッソかわええ!私を萌殺す気か!!!!と、


獣の様な雄叫びの後叫んだ私を、死んだ目で見る他の柱達は、こいつやべーな、うちに来なくて良かった、と普段合うこともない思考がピッタリ合ったとかないとか噂されるのである。
変態か…とも言える、雄叫びをあげた女が今現在熱を上げて病まない?人物、炎柱と言えば、「殺す気はない!!たが、その燃える様な心意気は気に入った!!」と、またおかしな返答をし、噎び泣き、地に平伏す変態女の肩を叩くのである。 


「文武兼備とお館様から聞いた!1年目でメキメキと頭角を表したと。君の今後の邁進に期待している!!」
「はい!もう死んでも良いです!!」


((((いや、死んだら駄目だろ。))))

柱達の心の声が更に重なった瞬間であった。


これは鬼子を連れた炭焼小屋の長男、竈門少年が鬼殺隊に入る少し前のお話である。
















大正コソコソ話

この時、ヒロインは20歳、
炎柱の煉獄は18歳でした。
そして恋柱の甘露寺ちゃんはこの時煉獄さんの継子でした。
コミュニケーション能力高めな二人と、変態ヒロインのわちゃわちゃした話、書きたい!
年上ヒロインです〜。
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