甘露な日々
□初めてのデート編 file2
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日曜日、
デート当時。
あのイケメンさんとはトロピカルランド現地集合となりました。
なじみちゃんと只野君とは駅前集合です。
この間のカフェへ行った時の様に、ソワソワしながら身支度をして、母さんにお化粧をしてもらう。
「名無しさんってば…最近おめかしする機会が増えたわよね〜。まさか彼氏でも出来たのかしら〜。」
「「……!!?」」(ビクッ)
何故か父さんまで一緒になってビクビクと身体を震わせる。(日曜日だからお仕事お休みな父)
「…っ!!……っ!!!?」
(略:まさか!この娘に限って彼氏!ない!そういう生活を送ってるじゃないか!?
「っ!ふるふる…!」
(略:違うから!硝子とその友達と出掛けるの!)
「もう、この人達これでどう意志疎通できてるのかお母さん謎よ〜!まぁ、お外に出て遊ぶ時間が増える事は良いことよ!小説のネタ探しにも良いしね!」
ふるふるふると、無言の父子にしか解らぬやり取りをしながらメイクは終わり、妹も身支度が整ったらしく一緒に玄関へ立つ。
「名無しさん、貴女はお父さんに似てクールで無口な子だけど、私に似て可愛いんだから!自信持ちなさい!」
「「(あ、自分でそれ言っちゃうんだ。)…。」」
「そうね〜、お父さんよりもかっこよくて?料理もできて、頭の切れる…そんな義理の息子が欲しい…!つー訳だから、名無しさんデート頑張って!なじみちゃんから聞いてるんだから〜!彼の写真も見たわよ〜!なかなかのイケメンさんじゃない!Goよ!母さんの娘ならヤれる!!」
と、良い笑顔で母さんがサムズアップした。
が、しかしその指の形がいけなかった…!
親指の位置!
人差し指から小指まではサムズアップの形たが、親指が人差し指と中指の間に挟まって…!?
母さん!よりにもよって娘に笑顔で出すサインじゃないやろ!!
硝子は?を頭上に浮かべているが、私は成人済みのそれも小説家。いろんな本を読んで知識だけは豊富なんだよ!
その意味を知らない硝子よ!
お前は母さんに似ずこのまま純粋に育ってくれよ!と、母の差し出された腕をひっつかみ、そのまま背負い投げをするのだ。
そう、私は悪くない!
悪いのは母さんだっ…!!
(ふっ、名無しさん…。強くなったわねっ…ガクッ!)
(ふるふるふる…!)←父
略:か、母さぁああん!
(阿保か)←弟
「おっはよ〜☆コミュ姉妹!!」
「あ、おはようございます。」
「っ…!(プルプル)」
「ん?どうしたんですか古見さん?え?出掛ける前に一悶着あった?ははは、大変でしたね。」
「いやいや、なんで只野君は古見さんの無言の震えの内容理解して返事出来んのさ。いろんな意味で怖いわー。ね、コミュ姉?」
「プルプルっ…!」
「はっ、解ってる!皆まで言うな!大丈夫だよコミュ姉、コミュ姉の魅力でイケメンゲットだぜ!!」
「(いや、解ってないやん!)…っ!」
と、なじみちゃんはグッとサムズアップしてきた…。親指が人差し指と中指に挟まれて。
おい、君。
母さんと繋がってんのか?
シンクロ率100%なんか?!
その手のサイン止めなさい!
無言でなじみちゃんの下品なサムズアップする腕をひっつかんで、母親同様綺麗に背負い投げをお見舞いするコミュ姉なのでした。
(なっ、なじみィイイ!!?てか、お姉さん強っ!!?え?なじみ何したんだよお前!!)
(流石、コミュ姉…、その意気だよ…ガクッ!)
(なじみィイイ!!?)
トロピカルランドまでの道のりは、
前途多難です。
ちなみに、
古見さん病の面子(クラスメイト)は、
こそこそと後ろを着けて来ております。