甘露な日々

□初めてのデート編 file1
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「つー、わけで!古見さんのお姉さん名無しさんさん事、コミュ姉がポアロのイケメン店員さんとのデート+僕と古見さんとオマケの只野君と愉快な仲間達が、トロピカルランドへ日曜日行くことになったわけだが…!」

「ほんっと、お前一言余計だよな。でも、どうすんだよ。初対面の男の人…それもイケメンとトロピカルランドってハードル馬鹿高過ぎるだろ?」


デートの前日の土曜日。
授業も午前中で終わり、帰ろうと支度をしていた時になじみがクラスメイト全員に聞こえるような声で先日のポアロでの一件を言えば、飴に群がる蟻の如くクラスメイトの殆どがなじみ目掛けて集まりだした。
何故かいつものメンバーが輪になって深刻な顔してんですけど。
はっきり言ってこの人達、病気だよね。古見さん病だよね?
赤の他人なのに、何身内よか真剣に考えてんの?
いや、確かに古見さんもお姉さんである名無しさんさんも国宝級の美人だけど、なっ!!(そこだけは理解する只野君も古見さん病の初期段階である)


「ってか、そのポアロの店員って誰よ?私の愛する古見さんの御姉様名無しさんさんとデートですって?何様っ?!」

勿論と言うか、クラスメイトの中で一番病んでる山井さんからの第一声が起爆剤となり、あちらこちらで声が上がる。
やれ、前日に店員を暗殺しようとか、物騒過ぎる。

「私知ってますよ、そのポアロってお店…。私は行ったことありませんが、ハムサンドが凄く美味しくて、珈琲にも力を入れてます。カラスミパスタなんかも有名ですよ。老若男女から愛される喫茶店です。他校のJKによればイケメン店員が眩しすぎるとの情報あり。そして何より、あの名探偵眠りの小五郎も足しげく通う名店だとか…!」


さすが上理さん!食通!
って、
眠りの小五郎?!


「眠りの小五郎…!抜け目無いわね!これじゃあ、暗殺はできないわ!」


いやいや、そうでなくても、
暗殺はダメ、絶対!

と、なりながら、隣で今までの話を一緒に聞いていた古見さんに視線を移せば、やはりブルブルブルと震えていた。


「古見さん…、どうしましょうか?」

「…(トロピカルランドには行ってみたいです。それに、姉も楽しみにしてました。邪魔をしたくはありません。)」←ノートに書いてます

「そうですね。お姉さんもなんだかんだで楽しみにしてましたよね〜。カフェ帰りにデートに着ていく服選びをした時、凄く悩んでましたし。」

「何それ只野君詳しく!」


山井さんは古見さん関連、地獄耳です。




















古見名無しさん
24歳、小説家をしております。
好きな物は動物。嫌いなものはバナナ。
苦手なのはコミュニケーションです。

部屋に篭って出来る仕事をと選んだ小説家。編集の方ともスマホでやり取りをしております。

つい先日、初めてのカフェ体験で、なじみちゃんのコミュ力が爆発した結果、何故かカフェの店員さんとトロピカルランドに行くことになりました。もう、震えるしかありませぬ…!
あんなイケメンさんと、いや、妹やなじみちゃん、只野君も一緒なんですけど、で、デッデデデデデートなんて!
いやいや店員さんもなじみちゃんの話を真面目に受け取り過ぎやで?!

でも、

『日曜日丁度暇していたので、こんな綺麗な人とトロピカルランドに出掛けられるなんて嬉しいですよ。なじみちゃんだったよね?ありがとう。君が切っ掛けを作ってくれたんだよね。』


とか、あの人もコミュ力ぱねーよ!となる訳です。(心の中ではコミュ姉は割りとお喋りで口調も砕けております。)


だったら、デート(!)に着ていく服を探すぜ!!となじみちゃん達に連れられて、またまたイオ●さんに行く嵌めになった。
ここ数日で沢山の人との関わりで私のキャパは要領オーバーだ。

で、デッデデデデデート、に着ていく服だが、

なじみちゃんアドバイスで、遊園地だから動きやすい服装、でも尚且つ女らしさも忘れるな!と言われる。
あのイケメンお兄さんに合わせてカジュアルに、トップスとかは寒さ対策で〜で、でも、コートを脱いだら女らしさも忘れないようにふんわりとした〜、でボトムスはスキニージーンズかな?女性らいし足のラインを見せつけろ!足元はスニーカーで決まり!
あ、このボンボンつきのニット帽も可愛いかも〜、となり購入した服。
ベッドの上に広げて…、なじみちゃんのセンス素晴らしい!となった。


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