刹那の日常
□トリプルフェイスの昼休み
1ページ/1ページ
Bar「KARMA」
名無し さんがオーナー兼、バーテンダーを務めるシックな店だ。
今は12時。情報交換のため開店する前にお邪魔したわけです。仕込みをする 名無し さんとカウンターを挟んで、 名無し さんお手製のパスタをお昼ご飯に頂いている。
白と黒をメインカラーとした洒落た店なのだが、少し、いいや、大分コアな客しか来ないような店内の造りは眼を引くものがある。
店内の壁と床には埋め込み式のケージ、
そこには蠢くーーー、
「...へ、蛇、ですか?」
「おん、蛇ちゃんや。ちなみにトカゲちゃんは放し飼い!かわええやろ。」
床で我が物顔で闊歩するグリーンイグアナとテグー数匹。厳つくもふてぶてしい表情のそいつらは、こちらに視線を寄越して、ふすっと鼻息を立て、視線を反らして歩き出す。去り際、鞭の様にしなやかな尾をぴしゃりと鳴らしながら。
「...(威嚇、されてる?)」
名無し さんが営む爬虫類カフェならぬ、爬虫類バーに来ています。降谷さんと。
俺には分からないが、お洒落な音楽が流れていて(今流れとるのはブリ●ニーのト●シックやで?)、薄暗い中(間接照明やて)、洋酒(それフォアローゼ●。バーボン)ーーー、
「いちいち、ツッコミ煩い。」
「風見のボケに突っ込んでやらんと可哀想やろ。私が居らんかったらボケ殺しやで?おもろくならしません!」
「ほー、俺はつまらん男だと?」
「真面目過ぎるんや、自分。酒の席や、もっとぶっちゃけた話とかしたほうがおもろいって、なぁ、風見。」
「じっ、自分に降らないで下さい!そして、酒の席ではありません!今は12時、昼間ですよ!飲んでるのは 名無し さんだけです!」
「..."安室君"なら、上手いこと話ししてくれはるんやろうな。」
「...ほ〜、"安室君"ですか。」
「そやぁ、安室君はお話上手で、ポアロで出すサンドイッチも珈琲も美味いんや!店閉めてから食べに行くモーニングが最高!こう、にっこにこの、う?スマイル0円やの?そらご馳走さん!!ってな位?その童貞臭い童顔の彼の上に乗ってハジメテ奪ってやろか?って......、あ。」
「お前のハジメテを奪った相手に言う台詞か?」
あ、
これ、
俺が居ること忘れてるな。
んん、空気読める部下こと、風見!
お二人の痴話喧嘩なら空気所か、空気より軽い何らかのものになったりますよ!
カウンター越しで見つめ合う(睨み合う)二人。
そして、
えいや、
めちゃくちゃ軽い声色で、
人間離れした速さで、
フォークを降谷さんの額に突き刺した 名無し さん。
いやいやいやいやいや???!?
このあと、滅茶苦茶フォーク刺し合っていた。
これは、仲が良いって事で良いんですかね?!
兎に角、昼休みもうすぐで終わりそうなんで、俺は先に職場に戻ります。