月明かりに結ばれて
□銀さんの彼女
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「あー…俺。今日、万事屋来てくんねー?」
銀時は二言三言話すとすぐに電話を切った。
「これでいーか?」
「いーか…って、彼女さんはいいって言ったんですか?」
「あいつは大丈夫だよ。…神楽ぁ、失礼な事言うんじゃねーぞ?」
「どんなやつかによるアル。」
「ったく。」
銀時は悪態を吐くと定位置に座り、ジャンプを読み始めた。緊張しているのは、新八と神楽だけらしい。定春はいつものようにゴロゴロしている。
30分程すると万事屋のインターホンが鳴った。銀時が動く様子がないので、新八が出ることになった。
「はい、どちらさ…」
そこに立っていたのは、水色の着物に身を包んだ栗色の髪をした色白の美女だった。
「こんばんは。銀さんいますか?」
「あ、はい。…あの…」
「あ、結月と申します。」
「結月さん…あの、もしかして…」
新八はあまりの美人を前にして何を言うべきか考えあぐねてしまっていた。そうすると新八の後ろから聞き慣れた声が聞こえて来た。
「何やってんだ、新八ぃ。…結月、入れよ。」
「うん。おじゃまします。」
(か、可愛い。あれが銀さんの彼女ー!?)
「ほれ、神楽。彼女の結月。」
神楽は結月を見上げて呆けている。新八と考えていることは同じなのだろう。
*