月明かりに結ばれて
□それぞれの気持ち
1ページ/13ページ
「ねーねー、結月ちゃん、仕事忙しかったアルか?」
「うん、まあね。でも、もう落ち着いたからまた遊びに来るね!」
「うん!いつでも来て!…銀ちゃんはあんなだけど、結月ちゃんのことになると頭がごちゃごちゃになっちゃうアル。」
「…うん。大丈夫、これからもずっと一緒だよ。」
神楽は満面の笑顔で出来上がった料理を運んで行った。結月もお櫃にたっぷりご飯を入れて、リビングに持っていった。
「やっぱり結月ちゃんのご飯美味しいアル!」
「だからって食いすぎだろ!」
「銀ちゃん食べないなら、もらうアル!」
「神楽ちゃんまだあるから…ね。」
神楽は一ヶ月ぶりに戻った日常を嬉しく思っていた。
「神楽、結月は?」
「結月ちゃんならまだ洗面所にいるアル。」
「そうか。あ、冷蔵庫にコーヒー牛乳入ってるぞ。」
「やったアル!」
神楽が小走りで台所に行ったのを見届けて、銀時は洗面所に入った。
「ぎ、銀さん!」
「しっ!」
結月はまだタオル姿だった。銀時はタオルに手をかけ、はだけさせ、そのまま抱きしめた。
「ちょっ…」
「傷は残ってねーな。綺麗な肌だ。」
タオルを元に戻すと、触れるだけのキスをした。
「ぎ、銀さん!」
「ん?」
結月が出入口を指差したので、振り返ると神楽が戸を少し開けて覗いていた。
「か、神楽!お前、そんなとこで何やってんだよ!」
「銀ちゃんこそ、ナニしてるアルか。結月ちゃん着替えるんだから向こうに行くアル!」
銀時は神楽に襟ぐりを掴まれ、洗面所から出て行った。
「銀ちゃん、盛りがついてるアルか?」
「うるせー。この前の傷が残っちゃいないか確認しただけだ。」
「ふーん。」
神楽は銀時に不審げな目を向けている。
「銀さん、お風呂どうぞ…って、どうかしたの?」
「なんでもねー。入ってくる。」
「結月ちゃん、襲われなかったアルか?」
「襲われてないよ!大丈夫。今日は仲良く3人で寝ようね。」
「うん!」
川の字になって寝ていると、神楽が銀時と結月を交互に眺めた。
「なんだ神楽?」
「やっぱりこれが一番しっくり来るアル。」
「そう?」
「うん、本当の家族みたいアル。」
「神楽ちゃん…。ほら、もう寝ないと。」
「うん、おやすみ。」
その夜、3人は心地良い眠りについた。
*