月明かりに結ばれて
□守りたいもの
11ページ/11ページ
「俺は元攘夷志士だ。斬首刑になったが、処刑人に救われて、今生きてる。…この事実を佐々木がどう利用してくるかわからねー。だから…」
「嫌。私は別れない。」
「結月…あのなぁ…」
「銀さんの過去がどうであったとしても、私の気持ちは変わらない。」
「俺だって気変わりしたわけじゃない。でも…」
「じゃあ、銀さんは私のこと好きなんだよね?」
「え?あぁ…そうだよ。」
「じゃあ、いいじゃない。難しいこと考えなくても…お願いだから悲しいこと言わないで。」
結月は顔を伏せ、涙が溢れてくるのを必死に抑えていた。
「結月…泣くなよ。」
「泣いてない。」
「…泣いてるじゃねーか。」
銀時は結月の頬に手を伸ばし、そっと涙を拭った。
「らしくねーな…弱気になっちまった。いつもなら何があっても俺が守るっていうとこなのにな。」
「銀さん…」
「そんな顔、されちゃーな…守るよ、何があってもな。俺の側から離れるなよ。」
「うん!」
結月は銀時の胸に飛び込んだ。銀時は抱きとめると、力強く結月を抱きしめた。
*********
「銀ちゃん帰ってこないアル。」
「そうだね。そろそろご飯の時間だよね?」
「今日の食事当番は銀ちゃんアル!ちょっと探してくるアル!定春ー!行くよー!」
神楽が戸を開けると、そこに銀時がいた。
「神楽、定春の散歩か?」
「今日、銀ちゃんが食事当番なのに帰ってこないから探しに行こうと…あ、結月ちゃんアル!」
「久しぶり。ご飯、作るね!」
「やった!結月ちゃんのご飯大好き!」
神楽と結月が中に入って行くと、新八が銀時に近づいた。
「仲直りしたんですね、よかったです!」
「別に喧嘩しちゃいねーよ。」
「とにかくよかったです。じゃあ、僕は帰るので。また明日。」
「ああ、じゃあな。」
銀時がリビングに入り、テレビを観ていると台所から楽しそうな声が響いてきた。
*