月明かりに結ばれて
□銀さんの彼女
1ページ/9ページ
「あ、あの、銀さん…えっと、悪気はないんです。ただちょっと心配で…」
「はー…別に心配されるような事じゃねーよ。…女ができた。…これでいいか?」
銀時の口から改めて事実を告げられ、新八と神楽は押し黙った。
「なんだよ?悪りぃか?銀さんの銀さんだってずっと使わなきゃ腐っちまうだろうが。」
「お、女の子の前で何言っちゃってんですかー!あんた!」
「誰アルか!?どこの馬の骨アルか!?」
「馬の骨じゃねーよ。…ったく、めんどくせぇ。」
銀時は頭を掻くと答える事なく、先を歩いていく。銀時のキャラからして、彼女ができたら自慢してきそうなのにも関わらず、その事実を告げてからも多くを語ろうとしない。
新八と神楽はどんな彼女なのか無性に知りたくなっていた。
「じゃ、お疲れー」
「銀ちゃん、また彼女のとこアルか!?」
「そーだけど。」
「銀ちゃんは心配じゃないの!?私、夜一人なんだよ!?」
「定春がいるだろーが。」
「定春も不安がってるアル!」
「んなわけねーだろ!…わかったよ、紹介すりゃいいんだろ!?」
銀時は机の上にある電話の受話器を持ち上げると、袂から出したメモを見ながら電話をかけ始めた。
*