月明かりに結ばれて
□銀さんの奇行
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時計が18時を指すと、銀時は万事屋の定位置から立ち上がった。
ここ一ヶ月の習慣に新八も神楽もすっかり慣れた様子だ。
「じゃあ、お疲れー。」
それだけ言うと万事屋を後にした。
「銀ちゃん、毎日何してるアルか?」
「わからないけど、行きつけの飲み屋ができたとかそんなところじゃないかな?」
「ずるいアル!」
「まあまあ。仕事はしてるんだし、自由にさせてあげようよ。」
「そういえば、銀ちゃんから変な袋もらったアル。」
神楽は"給料"と書かれた袋を取り出した。
「あ、神楽ちゃんも?実は僕ももらったんだけど…」
「「ま、まさか!!」」
二人は袋の中を改めると、暫し沈黙の時間が続いた。
「「入ってるだとーーーー!!」」
「何があったね、銀ちゃんおかしいアル!」
「何か悪いものでも食べたんじゃ…はっ!家賃は!?」
二人がお登勢の戸を開けると、主人であるお登勢が死んだ魚のような目をしてこちらを見ている。
「お、お登勢さん!もしかして銀さん、家賃…」
「払っていったよ。ったく、どういう風の吹き回しだい。気味が悪いったらないよ。」
「ドロボーデモシテキタノカネ!アノカスハ!」
「ドロボーはお前だろー!!…って、銀さん、僕たちにも給料払ったんですよ!」
「野郎…長くないのかねぇ。」
お登勢の不吉な言葉を最後に一同は解散した。
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