THE WORLD

□END OF THE WORLD
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一色 「はぁ……」


山下 「まだE級かぁ…」


一色 「私なんて、まだG級ですよ…」


村瀬 「G級でもE級でも、やれる事はあるねんで。 まだまだ、先は長いんやし」


山下 「……紗英さんは、何で私達と足並みを揃えてくれるんですか? 紗英さん1人でやったら、C級にも昇格出来る実力はあるのに……」


村瀬 「うーん……確かに、さえだけでやったら昇格も出来るかも知れへんなぁ…」


一色 「っ……」


村瀬 「でも、さえ達はチームだから。 誰かが勝手に進んでも立ち止まっても駄目なんやって。 全員で足並み揃えていかな、出来る事も出来ひんくなる」


山下 「紗英さん……」


一色 「ありがとう、ございます」


村瀬 「それに、私達の担当はあの伊織先生なんやで? 強くならない訳ないっちゅうねん」


一色 「伊織先生って、そんなに凄い人なんですか?」


村瀬 「あ、嶺奈はまだUZAに来て2年やっけかぁ。 なら、あの人の凄さを知らへんのも頷けるかも」


山下 「私も、ちょっとだけしか知らないですけど」


村瀬 「ふむ…ほな、折角やし教えよか?」


一色 「はいっ」


3人は、食堂へ行き飲み物を持ってテーブルへ。


村瀬 「まず、伊織先生はここの卒業生や」


一色 「はい。 それは、知ってます。 なんたって、戦伐で1位になった経験のある方ですからね」


村瀬 「それもそうやけど…それだけやと、情報としては少ないかな」


山下 「というと?」


村瀬 「あの人は、1位にある実力を持ちながら長年意図的に1位にならなかった人なんよ」


一色 「え、戦伐1位なんて凄い名誉なのに…どうしてなんですか?」


村瀬 「理由は一つだけ。 めんどくさかったから」


一色 「えっ…」


山下 「なんとも…伊織先生らしい理由かも」


一色 「そうですね…w」


村瀬 「伊織先生が10年生の時だけ、1位になっちゃったんだって。 そして、それから数ヶ月してあの戦いが起こった」


山下 「WORLD WAR……」


村瀬 「うん。 伊織先生は、そこで戦死したと思われていたの。 でも、2年半前にひょっこり帰ってきた」


一色 「生きていたんですね」


村瀬 「そういう事になるんだろうね。 でも、それで納得しなかった人が1人いたの」


山下 「え、誰ですか?」


村瀬 「戦伐時代の伊織先生のパートナーであり、伊織先生の彼女でもある横山先生よ」


一色 「そうなんですか? てっきり、凄く喜んだものだと思ってました…」


村瀬 「はじめはね、凄く喜んだみたい。 でも、少し経ってから横山先生が怒ったんよ。 生きてたんやったら何ではよ帰ってこんかったんや!って。 激怒した横山先生と伊織先生との喧嘩…これが世に言う 「WORLD WAR2やな」 っ、山本先生!」


山本 「その話やったら、うちもよう知ってんで」


村瀬 「そりゃ、渦中にいましたもん…w」


一色 「どういう事ですか?」


山本 「同級生で仲の良かったうちが由依について、同じく同級生で仲の良かった大島先生が伊織先生について、2対2の喧嘩になったんや」


山下 「け、喧嘩ですか…?」


山本 「まぁ、うちと大島先生はほぼほぼ野次馬根性丸出しで笑いながら見とっただけやけど。 由依はそうやなかった。 あいつの魔法で、校舎が半壊してしもたんよ」


一色 「そ、そんなに……あんな優しそうな人なのに…」


山本 「三日三晩続いた喧嘩は、校長である篠田先生が割って入ってやっと集結したんや」


山下 「なるほど…そこまでは知りませんでした」


村瀬 「その直後ですよね。 あの伝説の…」


山本 「そうそうw あの伝説のなw」


一色 「え、なんですか?」


山本 「半壊した校舎でブチ切れとる由依に、伊織先生がでっかい声でプロポ『やぁ〜まぁ〜もぉ〜とぉ〜』 おっと…ご本人のお出ましや」


『なんか話そうとしてただろう? ん? んん〜?』


山本 「別に何も話そうとしてへんよ? 別になぁ、伊織先生のプロポーズなんて」


『ブラインド・ペイン』


山本 「おわぁっ!!」


伊織が呪文を唱えると、ついさっきまで山本の座っていた椅子が激しく破壊された。


一色 「!」


山本 「ほな、またね!」


それだけ言うと、山本は転移してしまった。


『ちっ…逃がしたか…』


村瀬 「伊織先生、備品壊したらまた小嶋先生に怒られますよ?」


『………やっちまった』


山下 「ふふw」


『誰か造属性とか持ってる人……』


村瀬 「えーと…」

村瀬紗英 UZA魔術高等学校所属
所持ライセンス D級
メイン 水晶属性
サブ 光 声


山下 「ここには…」

山下エミリー UZA魔術高等学校所属
所持ライセンス E級
メイン 音属性
サブ 雷


一色 「居ませんね……」


一色嶺奈 UZA魔術高等学校所属
所持ライセンス G級
メイン 空属性
サブ 無し


『だよな……しゃあない、逃げる』


村瀬 「え? あ…w」


一色 「言葉と同時に、転移しちゃいましたねw」


山下 「この椅子どうしましょっか」


3人が悩んでいると、その背後に近づく2人組が。


「あー、備品壊した〜」


「にゃんにゃんに見つかったのが運の尽きっすね」


村瀬 「あ、小嶋先生に高橋先生!?」


山下 「あの、これは…!」


小嶋 「えーと、食堂の椅子が1個……じゃなくて、1個だけ変えると逆にそれが目立っちゃうから…食堂の椅子全部変えよっかな〜。 後で請求書送るからね?」


一色 「あ、あの…」


村瀬 「聞いてください! これは、伊織先生が!」


高橋 「あー、伊織か…やりかねないなぁ〜w」


小嶋 「伊織ねぇ………なら、折角だしテーブルも新調してもらお〜っと♪」


高橋 「あららw」


村瀬 「あはは…(汗」
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